この例では、一次単位の数が異なる分割実験2つを比較します。この実験で用いる因子は次の3つです。
• 変更の困難な連続因子
• 変更の容易な連続因子
• 変更の容易な3水準カテゴリカル因子
この例では、2因子間交互作用すべてを含んだモデルを想定します。実験回数を20として、一次単位3つの計画と8つの計画を比較します。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータ]を選択し、[サンプルスクリプトディレクトリを開く]をクリックし、「Compare Split Plots.jsl」をクリックします。
2. スクリプトウィンドウ内で右クリックし、[スクリプトの実行]を選択します。
「カスタム計画」を使って、2つのデータテーブルが作成されます。
– 4 Whole Plots
– 8 Whole Plots
これら2つの計画を比較しましょう。「4 Whole Plots」テーブルをアクティブな状態にしてください。
3. 「4 Whole Plots」テーブルで、[実験計画(DOE)]>[計画の診断]>[計画の比較]を選択します。
4. 「「4 Whole Plots」と比較する計画」リストから、「8 Whole Plots」を選択します。
起動ウィンドウにこの計画のパネルが追加されます。2つのデータテーブルに表示される順序で、自動的に列の対応が認識されます。
図16.13 設定後の起動ウィンドウ
5. [OK]をクリックします。
6. 「基準の計画:「4 Whole Plots」(20実験)」アウトラインの「対応の指定」を開きます。
図16.14 分割実験の対応の指定
この実験は分割実験であり、「一次単位」を示す列がある点に注意してください。「計画の比較」では、分割実験の構造を考慮するため、この「一次単位」の列が指定されている必要があります。
「計画の評価」レポートには、2つの計画を比較できる様々な診断統計量が表示されます。
図16.15 「検出力分析」の比較
「検出力分析」レポートを見ると、一次単位に割り付ける因子X1の検出力は、一次単位4つの計画のほうが一次単位8つの計画より低いです(0.190と0.497)。しかし、二次単位に割り付ける因子、特にX2*X3の検出力は、一次単位4つの計画のほうが一次単位8つの計画より高いです(0.797と0.523)。X2*X3の検出力は、カラーバーと凡例の下に表示されています。
図16.16 「相対推定効率」の比較
「相対推定効率」レポートを見ると、X1の相対推定効率は0.778であることがわかります。これは、X1の標準誤差が、一次単位4つの計画のほうが一次単位8つの計画より顕著に大きいことを示します。
「推定値の相対標準誤差」レポートを開きます。一次単位4つの計画でのX1の標準誤差は0.553であり、一次単位8つの計画では0.430であることがわかります。
「相対推定効率」レポートで、X2*X3 2の相対推定効率は1.449です。これは、X2*X3 2に関連するパラメータの標準誤差は、一次単位8つの計画のほうが一次単位4つの計画より顕著に大きいことを意味します。
「検出力分析」レポートと「相対推定効率」レポートを見ると、これらの計画は、一次単位効果X1に対する検出力において大きく異なっています。一次単位8つの計画のほうが、一次単位効果に対する検出力が高いです。一方、一次単位4つの計画のほうが、二次単位効果に対する検出力がやや高いです。