Weibayes分析を行う方法は2つあります。
• 故障がまったくないデータの場合には(すべての観測値が右側打ち切りデータである場合には)、[故障ゼロの場合はWeiBayes分析のみ]の環境設定がオンになっていると、Weibayesレポートが表示されます。故障がまったくないデータに対するWeibayes分析の例を参照してください。
• 故障が少ないデータに対しては、通常の「寿命の一変量」レポートが表示されます。まず、そのレポートで、Weibull分布をあてはめます。次に、「パラメトリック推定値 - Weibull」レポートで、[分布パラメータの指定]オプションを選択します。そして、「分布パラメータの指定」レポートで、[Weibayes]オプションを選択します。故障が1個しかないデータに対するWeibayes分析の例を参照してください。
ここに、信頼性の高い製品のデータがあります。30個を1,000時間にわたってテストしましたが、故障はありませんでした。このデータから、2,000時間における故障確率を予測してみましょう。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Reliability」フォルダにある「Weibayes No Failures.jmp」を開きます。
2. [分析]>[信頼性/生存時間分析]>[寿命の一変量]を選びます。
3. 「時間」を[Y, イベントまでの時間]に指定します。
4. 「打ち切りの有無」を選択し、[打ち切り]に指定します。
5. 「度数」を[度数]に指定します。
6. 「信頼区間の方法」を[尤度]にします。
7. [OK]をクリックします。
特別な「寿命の一変量」レポートが表示されます。[Weibayes]と[Weibull β]が選択されているはずです。
8. Weibull分布のβが既知だとして、その値に「1.5」を入力します。
この例では、この1.5を適切な値とみなして分析を進めます。
9. [更新]をクリックします。
10. 「分布プロファイル」の「時間」の値を「2000」とします。
図3.18 故障ゼロのデータの「寿命の一変量」レポート
「分布プロファイル」から、2,000時間のときの保守的な故障確率が24.6058%であることがわかります。つまり、故障確率に対する片側95%信頼限界の上限は24.6058%です。
前述と同様のデータで、今回は、800時間の時点で1個が故障した場合を検討してみましょう。ここでも、2,000時間での故障確率を予測します。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Reliability」フォルダにある「Weibayes One Failures.jmp」を開きます。
2. [分析]>[信頼性/生存時間分析]>[寿命の一変量]を選びます。
3. 「時間」を[Y, イベントまでの時間]に指定します。
4. 「打ち切りの有無」を選択し、[打ち切り]に指定します。
5. 「度数」を[度数]に指定します。
6. 「信頼区間の方法」を[尤度]にします。
7. [OK]をクリックします。
「寿命の一変量」レポートが表示されます。
8. 「分布の比較」レポートで、[Weibull]分布を選択します。
9. 「パラメトリック推定 - Weibull」の赤い三角ボタンをクリックし、[分布パラメータの指定]を選択します。
10. 「分布パラメータの指定」レポートで[Weibayes]と[Weibull β]を選択します。
11. Weibull分布のβが既知だとして、その値に「1.5」を入力します。
12. [更新]をクリックします。
13. 「分布プロファイル」の「時間」の値を「2000」とします。
14. カーソルをY軸の一番上に置きます。カーソルが手のひらツールに変わります。最上部の目盛りが0.5になるまで、手のひらツールを下にドラッグします。
図3.19 故障数1のデータの「寿命の一変量」レポート
「分布プロファイル」の実線は最尤推定値です。点線は、Weibayes分析による保守的な信頼限界です。2,000時間のときの保守的な故障確率が36.3351%であることがわかります。つまり、故障確率に対する片側95%信頼限界の上限は36.3351%です。