• 関数実験計画の例
この例では、酵素生産に関するデータを分析するために「Fermentation Process.jmp」と「Fermentation Process Batch Yield Results.jmp」サンプルデータを使用します。歩留まりは、遺伝子組み換えされた酵母で生産される酵素の量です。1バッチあたり100回の測定を行っています。12時間にわたって等間隔で測定されています。
この例では、まず「関数データエクスプローラ」プラットフォームを使用して、モデルをデータにあてはめ、それらに関数主成分分析を行います。そして、関数主成分分析の結果をデータテーブルに新規に保存します。その後、関数主成分分析の結果を、「モデルのあてはめ」プラットフォームの[一般化回帰]手法で分析します。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Functional Data」フォルダにある「Fermentation Process.jmp」を開きます。
2. [分析]>[発展的なモデル]>[関数データエクスプローラ]を選択します。
3. [積み重ねたデータ形式]タブで、「エタノール」から「pH」までを選択し、[Y, 出力]をクリックします。
4. 「時間」を選択し、[X, 入力]をクリックします。
5. 「バッチID」を選択して、[ID, 関数]をクリックします。
6. [OK]をクリックします。
7. 「関数データエクスプローラ グループ」の赤い三角ボタンをクリックし、[データ処理]>[配置]>[0 ~ 1に配置]を選択します。これにより、すべての「関数データエクスプローラ」レポートにおいて入力変数が0~1の間に配置されます。
8. 「関数データエクスプローラ グループ」の赤い三角ボタンをクリックして、[モデル]>[B-スプライン曲線]を選択します。これにより、B-スプラインモデルが各出力変数に対してあてはめられてます。
図16.7 エタノールの「関数データエクスプローラ」レポート
図16.8 エタノールの「モデルの要約」レポート
図16.7と図16.8は、出力変数の1つであるエタノールのモデルレポートを示しています。レポート全体をスクロールして、各出力変数の結果を見てください。次に、「関数の要約」レポートの関数主成分分析の結果を用います。
1. Ctrlを押しながら「関数の要約」レポートの赤い三角ボタンをクリックし、[関数の要約をカスタマイズ]を選択します。
2. [表示するFPCの個数を入力]の横のテキスト入力ボックスに、「3」と入力します。
3. [すべての要約統計量を選択解除]ボタンをクリックします。
4. [OK]をクリックします。
5. 「関数データエクスプローラ グループ」の赤い三角ボタンをクリックして、[要約の保存]を選択します。
6. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Functional Data」フォルダにある「Fermentation Process Batch Yield Results.jmp」を開きます。
7. 「関数データエクスプローラ 要約.jmp」データテーブルで、[バッチID]を右クリックして[リンクID]の選択を解除します。
8. 「関数データエクスプローラ 要約.jmp」データテーブルで、[バッチID]を右クリックして[リンク参照] >「Fermentation Process Batch Yield Results.jmp」を選択します。
この操作によって、歩留まりデータテーブルと要約データテーブルが仮想的に結合されます。
「モデルのあてはめ」プラットフォームの「一般化回帰」手法によって、各過程が[収率]にどのように影響しているかを判断します。
1. 「関数データエクスプローラ 要約.jmp」データテーブルで、[分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。
2. [バッチIDによる「Fermentation Process Batch Yield Results」への参照]の横にある三角ボタンをクリックします。
3. 「収率[バッチID]」を選択し、[Y]をクリックします。
4. 「配置換え後 時間」と「バッチID」以外の残りの列を選択して、[追加]をクリックします。
5. 「手法」を[一般化回帰]に変更します。
6. [実行]をクリックします。
7. [適応型]チェックボックスを選択します。
8. [実行]をクリックします。
図16.9 「収率[バッチID]の一般化回帰」レポート
「一般化回帰」レポートは、「収率」が「エタノール」、「糖蜜 添加」、「NH3 添加」、「空気」の特定の成分に大きく影響されることを示しています。モデルの「R2乗」は0.73225となりました。この例では、「関数データエクスプローラ」によって関数データの次元を関数主成分分析により削減しました。関数主成分分析では、元データの変動をできるだけ説明するような特徴を捉えながらも、次元を大幅に減らします。