「交絡行列」(alias matrix)は、モデルに含まれていない項のうち、実際には影響がある項が、モデル項の推定にどのように影響しているかを示します。「交絡項」アウトラインには、あてはめるモデルには含めないものの、モデル項の推定値にバイアス(偏り)を与えている可能性がある効果を指定してください。「交絡行列」には、「交絡項」アウトラインの効果ごとに、モデルパラメータに対するバイアスの大きさが表示されます。交絡項を参照してください。
「交絡行列」の行の要素は、「モデル」アウトラインに一覧されているモデル効果に対応します。列の項は、「交絡項」アウトラインに一覧されている効果に対応します。ある行、ある列の要素は、そのモデル項に対応するパラメータ推定値に交絡項が及ぼす影響の程度を示します。
次に示す2つの条件のいずれかが満たされていれば、パラメータ推定値におけるバイアスは小さくなります。1つ目の条件は、交絡行列における要素の絶対値が小さいことです。第2の条件は、交絡項がもつ効果が小さいことです。いずれかの条件が満たされていれば、バイアスは小さくなります。交絡項が大きな効果を持つと予想される場合は、その項をモデルに含めるか、交絡最適計画を作成することを検討してください。
交絡行列の計算方法については、交絡行列を参照してください。また、Lekivetz, R.(2014)も参照してください。
次のことを注意してください。
• 計画が直交計画である場合、交絡行列の各要素は、「相関のカラーマップ」における相関の絶対値に等しくなります。
• 計画の複雑さによっては、交絡行列の要素が1より大きい値または-1より小さい値になる可能性があります。
「Design Experiment」フォルダにある「Coffee Data.jmp」サンプルデータテーブルを開きます。この計画は、主効果モデルを仮定しています。データテーブルに含まれている「モデル」スクリプトを実行すると、それが確認できます。「計画の評価」ウィンドウの「モデル」アウトラインには、切片と5つの主効果のみが表示されます。「交絡項」アウトラインには、2次の交互作用が指定されています。
図15.23 「Coffee Data.jmp」の「交絡行列」
「交絡行列」の表側は、モデル項を示しています。それらのモデル項は、交絡行列の各行に対応しています。「交絡行列」の表頭は、「交絡項」に指定された2次の交互作用で構成されています。それらは交絡行列の各列に対応しています。たとえば、「温度」のモデル項について考えてみましょう。「挽き*時間」の交互作用が存在していた場合、「温度」の係数の推定値には、「挽き*時間」の真の効果の0.333倍のバイアスがかかります。同様に、他の交互作用も存在している場合には、「交絡行列」の値に応じて、「温度」の推定値に対してバイアスが加算されていきます。