ここでの例では、6つの連続尺度の因子に関して、それらの主効果を推定したいとします。ただし、ここでは、主効果と、応答に対して効果があるかもしれない2因子間交互作用との交絡を最小にするような計画を作成します。
予算の関係で、実施できる実験は16回です。因子が6つの場合、2因子間交互作用は15通りあり、定数、6つの主効果、15個の2因子間交互作用をあてはめるための最小実験回数は22となります。
この例では、主効果だけしか推定できない実験回数8回の計画(主効果のみを推定する計画を参照)と、すべての2因子間交互作用を推定できる実験回数22回の計画との間で、妥協案を見つけます。最適化基準に交絡最適化基準を使って、この目的を達成します。
1. [実験計画(DOE)]>[カスタム計画]を選択します。
2. 「N個の因子を追加」の右側のボックスに「6」と入力します。
3. [因子の追加]>[連続変数]を選択します。
4. [続行]をクリックします。
デフォルトではモデルに主効果の項が含まれます。主効果の項の「推定」列は、デフォルトで[必須]になっています。「交絡項」アウトラインにすべての2因子間交互作用が追加されていることに注目してください。デフォルトでは、モデルに含まれていない2因子間交互作用はすべて「交絡項」リストに追加されます。
5. [カスタム計画]の赤い三角ボタンをクリックし、[最適化基準]>[交絡最適計画の作成]を選択します。
[交絡最適計画の作成]を選択すると、ある程度のD効率をもちながらも、交絡がなるべく小さい計画が生成されます。交絡最適化基準を参照してください。
6. [ユーザ定義]をクリックして、実験の回数を「16」に変更します。
図5.9 因子、モデル、交絡項、実験の回数
メモ: 乱数シード値(ステップ7)と開始点の数(ステップ8)を設定すると、以下の数値例と同じ実験設定が得られます。同じ実験設定でなくても良い場合は、これらの手順は不要です。
7. (オプション)「カスタム計画」の赤い三角ボタンをクリックし、[乱数シード値の設定]を選択します。次に、「12345」と入力して[OK]をクリックします。
8. (オプション)「カスタム計画」の赤い三角ボタンのメニューから[開始点の数]を選択し、「10」と入力して[OK]をクリックします。
9. [計画の作成]をクリックします。
10. 「計画の評価」>「交絡行列」アウトラインを開きます。
図5.10 交絡行列
すべての行に0しか含まれていないので、切片と主効果の推定値は2因子間交互作用によってバイアスを受けないことがわかります。
11. 「計画の評価」>「相関のカラーマップ」アウトラインを開きます。
図5.11 相関のカラーマップ
相関のカラーマップからは、主効果を、2因子間交互作用とは独立して推定できることがわかります。ただし、2因子間交互作用の一部が、他の2因子間交互作用と完全に交絡しています。カーソルを非対角部分にある赤い正方形の上に置くと、どの2因子間交互作用が交絡しているかを確認できます。
この例の計画は、レゾリューションIVの直交スクリーニング計画であることがわかります。主効果は、互いに交絡せず、2因子間交互作用とも交絡していません。ただし、どの2因子間交互作用も、他のいずれかの2因子間交互作用と完全に交絡しています。