「有効性レポート」は、起動ウィンドウで[基準]変数を指定した場合にのみ表示されます。[基準]変数の詳細については、「計量値/計数値ゲージチャート」プラットフォームの起動を参照してください。このレポートでは、各判定者を基準と比較します。
図6.7 有効性レポート
「一致度数」の表は、基準変数の各水準に対して、正しく判定された部品の数と、誤って判定された部品の数をまとめたものです。図6.7では、基準変数に0と1という2つの水準があります。判定者Aは、水準0について45回の判定が正しく、3回が誤判定、水準1については97回が正しい判定で、5回が誤判定でした。
有効性(effectiveness)は、正確な判定の数を全判定の数で割った値として定義されます。この例では、各部品は3回ずつ測定されており、判定者Aが6番目の部品での3回目の測定で、判定を間違えています(基準値は1なのに0と判定している)。この場合でも、1回目と2回目の判定は正しい判定としてカウントされます。このような有効性の定義は、MSA第3版と異なります。MSAでは、6番目の部品における判定者Aの3つの判定すべてが誤判定としてカウントされます。JMPでは、判定全体に関してより詳しい情報を得るために、それぞれの判定が合っているかどうかを個別にカウントします。
「有効性」表には、有効性の95%信頼区間が表示されます。ここではスコア信頼区間が使用されています。特に割合が0もしくは1の近くにある場合は、スコア信頼区間の方が被覆確率の点で良いと言われています。Agresti and Coull(1998)を参照してください。
「誤分類」は、誤った判定をまとめた表です。行は[基準]列の水準(参照値として承認されている水準)を表し、列は判定者による判定の結果を表します。
「適合性レポート」は、誤って警告を出す確率と、見逃してしまう確率をまとめたものです。「適合性レポート」は、評価の水準が2つ(合格/不合格、0/1など)の場合にのみ表示されます。
用語の定義と表示される情報は次のとおりです。
誤警報
実際には適合の部品を、不適合品と判定すること。
誤分類
実際には不適合の部品を、適合品と判定すること。
誤警報率
本当は適合品なのに誤って不適合品とした部品の個数を、真の適合品の総数で割った値。
誤分類率
本当は不適合品なのに誤って適合とした部品の個数を、真の不適合品の総数で割った値。
「適合性レポート」の赤い三角ボタンをクリックすると、次のオプションがメニューに表示されます。
適合品カテゴリの変更
応答変数のいずれのカテゴリが適合/不適合であるかを、現在のものと逆にします。
流出率の計算
流出率(不適合品が製造され、検出されない確率)を計算できます。流出率は、不適合品が製造される確率と、不適合品を検査で見逃す確率(誤分類率)とを掛けて求めます。ここでは、不適合品が製造される確率(不適合品率)を指定します。
メモ: このプラットフォームでは、欠測値が個別のカテゴリとみなされます。これを回避するには、データテーブルにおける欠測値の行を除外してください。