「イベントプロット」の開閉ボタンをクリックすると、イベントプロットが表示されます。イベントプロットは、故障時間や打ち切り時間を描いたグラフです。イベントプロットには、データテーブルの行ごとに線分や半直線が描かれ、ユニットが打ち切られたかどうかが示されています。ユニットが打ち切られている場合、半直線の右部分で打ち切りの種類が示されます。
• ユニットが故障していないと分かっている期間は実線となっています。
• ユニットが故障していないか、故障しているか不明の期間は点線で示されます。
• ユニットが故障したと確認された時点で、線分は終了します。
「Fan.jmp」サンプルデータには、故障時間を示す「時間」列が1つあります。故障が生じる前に観測が打ち切られたものには、「打ち切りの有無」列に「Censored」という値が記録されています。このデータにおける打ち切りは、すべて右側打ち切りになっています。図3.7は、このデータのイベントプロットです。
メモ: 図3.7のプロットを作成するには、まず、[ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Reliability」フォルダにある「Fan.jmp」を開きます。「寿命の一変量(指数分布)」スクリプトの横の緑の三角をクリックします。そして、「イベントプロット」の開閉ボタンをクリックします。
図3.7 右側打ち切りデータのイベントプロット
行3のユニットは「時間」が1150のときに故障しています。「時間」が1150の位置までしか線分が伸びていないことから、このユニットは1150時間で故障したことがわかります。ユニットが故障した場合、マーカーがバツ印「×」になっています。
行5のユニットは右側打ち切りです。このユニットは、「時間」が1560のときまでは故障していなかったことが確認されています。ユニットが故障していないと分かっている期間は実線で描かれていますが、1560時間以降は点線になっています。1560時間において、右矢印が描かれています。1560時間で実線は点線に変わり、故障時間は不明で、試験や観測を続けると1560時間以降のいずれかの時点で故障するであろうことが示されています。
「Censor Labels.jmp」サンプルデータには、「開始時間」と「終了時間」があります。「開始時間」は、該当するユニットが故障していないことが最後に確認された時間です。「終了時間」は、ユニットが故障していることが最初に確認された時間です。
「開始時間」と「終了時間」の値は、ユニットに関して次のような情報を示しています。
• 行1と行2のユニットは左側打ち切りです。これらは、「終了時間」列の時間以前に故障したことが確認されていますが、正確な故障時間は不明です。
• 行3と行4のユニットは右側打ち切りです。これらは、「開始時間」列の時間には故障していないことが最後に確認されていますが、正確な故障時間は不明です。
• 行5と行6のユニットは区間打ち切りです。どちらも、「開始時間」と「終了時間」で定義される区間内に故障したことが確認されています。
• 行7と行8のユニットは打ち切られていません。このユニットでは、「開始時間」および「終了時間」列の値が同じになっています。
図3.8は、このデータのイベントプロットです。
メモ: 図3.8のプロットを作成するには、まず、[ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Censor Labels.jmp」を開きます。そして、「寿命の一変量」スクリプトの横にある緑の三角をクリックします。
図3.8 打ち切りデータのイベントプロット
イベントプロットでは、各種の打ち切りが線のパターンで表されます。
• は、右側打ち切りを表します。最後の時間以降にユニットが故障することを意味します。
• は、左側打ち切りを表します。これらのユニットは、最後の時間以前には故障していることは分かっていますが、それまでのどの時点で故障したかは不明です。
• は、2つの矢じりで挟まれた期間にユニットが故障したことを表します。
• は、打ち切りなしを表します。ユニットは、xでマークされている時間で故障したことを意味します。