「Ingots2.jmp」サンプルデータテーブルは、製造過程で加熱時間とソーキング時間を変えながら、圧延に耐える状態に仕上がったインゴットの数を記録したものです。応答変数の「数(適合)」は2項分布に従う変数であり、検査されたインゴットの数(「数(全体)」)、加熱時間、およびソーキング時間によって変化しています。2項分布のプロビットモデルにおいて、最尤法でパラメータ推定値を得るには、次のものを使用します。
• 数値微分
• 損失として、負の対数尤度
• Newton-Raphson法
圧延に耐えるインゴットの平均数は、与えられた加熱時間とソーキング時間においてインゴットが良い状態に仕上がる確率に、検査された数を掛けたものです。プロビットモデルをあてはめるために、サンプルデータの「モデル変数(P)」列には次の計算式が設定されています。
Normal Distribution(b0+b1*Heat+b2*Soak)
Normal Distribution関数の引数は、2変数の線形モデルになっています。
損失関数として、次式で表わされるような、2項分布に基づき計算した負の対数尤度を定義しています。
-(適合数*Log(p)+(全体数-適合数)*Log(1-p))
以下の手順に従ってモデルをあてはめます。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Ingots2.jmp」を開きます。
2. [分析]>[発展的なモデル]>[非線形回帰]を選択します。
3. 「モデル変数(P)」を[X,予測式列]に指定します。
4. 「損失関数」を[損失]に指定します。
5. [数値微分のみ]チェックボックスをオンにします。
6. [OK]をクリックします。
7. [実行]をクリックします。
ここでは、数値微分を反復計算で使用しました(図15.14)。
図15.14 「Ingots2」データの解