ここでは、「選択モデル」プラットフォームを使い、「ケース(症例)」と「コントロール(対照)」とでペアごとに対応している子宮内膜がんの調査結果に対して、条件付きロジスティック回帰分析を行う例を紹介します。使用するデータは、Breslow and Day(1980)で取り上げられている「Los Angeles Study of the Endometrial Cancer Data」からの引用です。このケースコントロール分析の目標は、高血圧による影響を考慮しながら、胆嚢疾患の相対リスクを推定することです。「アウトカム」の1の値は、子宮内膜がんの発症(ケース群)を示し、0はコントロール群を示します。胆嚢疾患と高血圧も、同様に1と0で示されています。
「選択モデル」プラットフォームを使って通常のロジスティック回帰を行う手順について詳しくは、ロジスティック回帰を参照してください。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Endometrial Cancer.jmp」を開きます。
2. [分析]>[消費者調査]>[選択モデル]を選択します。
3. 「データ形式」が[1つのデータテーブル, 積み重ね]になっていることを確認します。
4. [データテーブルの選択]ボタンをクリックします。
5. プロファイルのデータテーブルとして「Endometrial Cancer」を選択します。[OK]をクリックします。
6. 「アウトカム」を選択し、[応答の指示変数]をクリックします。
7. 「ペア」を選択し、[グループ]をクリックします。
8. 「胆嚢疾患」と「高血圧」を選択し、「プロファイル効果の作成」パネルで[追加]をクリックします。
9. [Firthバイアス調整推定値]のチェックマークを外します。
10. [モデルの実行]をクリックします。
11. 「選択モデル: アウトカム」の赤い三角ボタンをクリックし、[効用プロファイル]を選択します。
図4.42 子宮内膜がんデータのロジスティック回帰
要因ごとに尤比度検定が実行されています。「胆嚢疾患」が、α水準を0.05としたとき、統計的にほぼ有意であることがわかります(p値は0.0532)。また、効用プロファイルによって、応答に対する要因の影響を視覚的に確認できます。