ここでは、使用している測定システムにおいて、測定装置(instrument)や測定者(operator)に起因するばらつきがどれほど生じているかを調べます。ある研究所で、2台の重量計を使って、測定システムの試験を行うことになりました。この試験には4人の測定者が参加します。測定対象として標準的な部品(part)を5種類用意しました。それぞれの測定者に両方の重量計を使って各部品を6回ずつ測定してもらいました。診断統計量の初期設定では、多くの因子の母分散を1と診断が行われます。それらの初期設定を変更して、計画を診断してみましょう。
1. [実験計画(DOE)]>[特殊な目的]>[測定システム分析計画]を選択します。
2. 応答「Y」の「目標」を[目標値に合わせる]に設定します。また、[因子の追加]を2回、クリックし、各因子の名前と役割を「オペレータ」と「ゲージ」にしてください。
3. 「オペレータ」の[水準の数]を4に設定します。
4. 「部品」の[水準の数]を5に設定します。
5. 「ゲージ」の[水準の数]を2に設定します。
6. 「反復の回数」を5に設定して、実験ごとに6個の測定値が含まれるようにします。
図25.2 因子設定
7. [因子水準の表示]をオンにします。
8. 因子の値を図25.3のように編集します。
図25.3 因子の値
メモ: 乱数シード値(ステップ9)を設定すると、この例の計画と診断統計量が再現されます。
9. (オプション)「測定システム分析」の赤い三角ボタンのメニューから[乱数シード値の設定]を選択し、「123」とタイプします。
10. [計画の作成]をクリックします。
メモ: [テーブルの作成]をクリックすると、データを収集するためのデータテーブルが生成されます。計画のデータテーブルに含まれる分析用スクリプトについては、測定システム分析計画のデータテーブルを参照してください。
11. 下方向にスクロールして「計画の診断統計量」アウトラインを表示し、グレーの開閉アイコンをクリックします。
「計画の診断統計量」レポートには、分散推定値と、それを使って計算された信頼区間、分散の割合、EMPの等級分けの推定値が表示されます。これらの推定値を使って、測定システム分析計画が評価されます。異なる分散の推定値を検討するか、[戻る]ボタンを押して計画に調整を加えます。
12. 各因子の分散推定値を変更して、計画の診断統計量にどのような影響が及ぶかを調べてみましょう。「オペレータ」の「分散」を0.5、「部品」の「分散」を10、「ゲージ」の「分散」を0.25に設定します。
図25.4 測定システム分析計画の診断統計量
診断統計量は、各因子の平均2乗を乱数によって生成さいた乱数シミュレーションに基づいています。そのため、診断統計量の結果は少し異なってきます。ここでの診断結果では、第1級の確率が78%となっています。