効果の大きさ(effect size; 効果量)が非常に大きいと、p値はとても小さくなる場合があります。とても小さいp値をグラフにプロットすると、どれぐらいの大きさなのかがわかりづらくなります。そこで‐log10(p値)というスケールに変換すると、とても小さいp値も見やすくなります。これを対数価値(LogWorth)と呼んでいます。p値が小さい場合には対数価値は大きくなり、p値が大きい場合には対数価値は小さくなります。対数価値がゼロの場合、p値は1です。対数価値が2以上の場合、p値は0.01以下です。
「FDR 対数価値 By 効果の大きさ」プロットでは、縦軸が「FDR 対数価値」、横軸が「効果の大きさ」です。一般に、効果の大きさが大きいほど、p値が小さくなり、対数価値が大きくなります。しかし、p値の小ささは誤差分散にも依存するため、必ずしもそのような関係になるわけではありません。実際、誤差分散によっては、効果の大きさが大きくても対数価値が小さくなるときもあれば、逆に、効果の大きさが小さくても対数価値が大きくなることもあります。「FDR 対数価値 By 効果の大きさ」プロットでは、そのような関係を検討できます。
図22.5は、「Probe.jmp」データテーブルで「最大対数価値」を100に設定したときの「FDR 対数価値 By 効果の大きさ」プロットです。「FDR 対数価値」の大半は2を上回っていて、つまり、ほとんどの効果が有意水準1%で有意となっています。「FDR 対数価値」が100の位置にプロットされている点は、FDR調整したp値が非常に小さいものです。
図22.5 FDR 対数価値 By 効果の大きさ