図2.4は、予測プロファイルの使い方を説明しています。予測プロファイルを解釈する際、次のような点に注意が必要です。
• 因子の重要度は、予測トレースの傾きによって、ある程度は評価できます。モデルに曲面項(2乗項など)がある場合は、トレースが曲線になる因子もあります。
• 因子の値を変更してもその因子の予測トレースは変化しませんが、他のすべての因子の予測トレースは変化します。応答変数(Y)の値を示す水平線は、Xの現在値を表す垂直線と予測トレースとの交点を必ず通ります。
メモ: モデルに交互作用または交差積がある場合は、他の項の値を変更すると、予測トレースの傾きと形が変わります。この変化は、交互作用効果の大きさを表します。交互作用効果がない場合は、トレースの高さが変わるだけで、傾きや形は変わりません。
図2.4 1つの因子を0から0.75に変更
特に、応答変数が複数あり、複雑な基準を使って最適化したい場合は、予測プロファイルが役に立ちます。
グラフの中をクリックするか、現在値の線を左右へドラッグすると、因子の値が変わります。応答変数の値が変化する様子は、グラフ内の水平線を見ているとわかります。軸をダブルクリックすると、軸の設定を変更するためのウィンドウが開きます。
「Tiretread.jmp」データを例として、(「シリカ」の値を固定し、)「引張応力」を「硫黄」と「シラン」の関数として表した式の応答曲面を見てみましょう。グリッドは、「硫黄」の値2.25において「シラン」と平行に曲面を切断しています。グリッドと曲面の交差線に注目してください。この交差線をたどっていったものが、「シラン」のプロファイルです。同じように、グリッドは、「シラン」の値50において「硫黄」と平行に曲面を切断しています。この交差線をたどっていったものが、「硫黄」のプロファイルです。
図2.5 断面としてのプロファイル
次に、「硫黄」の値を2.25から1.5に変えてみましょう。
図2.6 断面としてのプロファイル
予測プロファイルを見ると、「硫黄」の新しい値は同じ曲線に沿って動いているだけで、「硫黄」の曲線自体には変化がありません。しかし、「シラン」のプロファイルは、新しい「硫黄」の値で作成されているので、変化しています。前よりも位置が全体的に高く、頂点がずれて現在の値(50)の近くで最大となっています。
Alt(macOSではoption)を押しながらグラフをクリックすると、因子を特定の値に設定するためのウィンドウが開きます。
図2.7 連続尺度の因子の「因子設定」ウィンドウ
連続尺度の因子については、次の値を指定できます。
現在の値
プロファイルを計算する際の基準となる値。グラフ内では赤色の縦線で示されます。
最小値の設定
因子のX軸における最小値。
最大値の設定
因子のX軸における最大値。
プロット点の数
因子の予測トレースをプロットするときに使用する点の個数。
表示
因子をプロファイルに表示するかどうかを指定します。
因子設定のロック
因子の値を現在の設定で固定します。