Kolmogrov-Smirnov検定は、Xの水準が2つの場合にだけ実行できます。レポートには、記述統計量と検定結果が順に表示されます。記述統計量は次のとおりです。
水準
Xの2つの水準。
度数
各水準の度数。
最大時の経験分布関数
2つの経験累積分布関数(EDF)の差が最大になるときの、各水準のEDFの値。「合計」という行には、2つのEDFの差が最大になるときの、プーリングしたEDF(データセット全体のEDF)の値が示されます。
最大時の平均からの乖離
各水準について、以下の手順に従って求めた値です。
– 該当の水準における経験分布関数と、データセット全体(合計)のプーリングした経験分布関数との差を、群間差が最大となっている個所で求める。
– 上記の差に、その水準の標本サイズ(度数)の平方根を掛け合わせる。
このレポートは検定の詳細を示します。
KS
Kolmogorov-Smirnov統計量は次式で計算されます。
この式では、次のような表記を使用しています。
– xj(j = 1, ..., n)は、標本サイズ
– niは、Xのi番目の水準の標本サイズ
– Fは、プーリングした経験累積分布関数
– Fiは、Xのi番目の水準の経験累積分布関数
このKolmogorov-Smirnov統計量は、Xの水準が3つ以上の場合でも求められます。ただし、JMPは、Xの水準が2つの場合にのみ、この分析を実行します。
Ksa
漸近的なKolmogorov-Smirnov統計量。で求められます。ここで、nは、全体の標本サイズ(オブザベーション数)です。
D=max|F1-F2|
2群のEDFの差で、その絶対値が最大のもの。2つの標本を比較するために使用されるKolmogorov-Smirnov統計量です。
p値(Prob > D)
両側検定のp値。「2群の分布はまったく同じである」という帰無仮説のもとで、Dが求められた値よりも大きくなる確率です。
D+ = max(F1-F2)
有意であれば、「1つ目の水準が2つ目の水準を上回る」という対立仮説が採択される片側検定の検定統計量。
p値(Prob > D+)
D+に基づく検定のp値。
D- = max(F2-F1)
有意であれば、「2つ目の水準が1つ目の水準を上回る」という対立仮説が採択される片側検定の検定統計量。
p値(Prob > D-)
D-に基づく検定のp値。
正確Kolmogrov-Smirnov検定のレポートには、漸近的な近似検定と同じ統計量が表示されますが、このレポートのp値は、正確な確率です。