「Design Experiment」フォルダにある「Donev Mixture Data.jmp」データテーブルのデータは、Atkinson and Donev(1992)の例に基づいて作成されました。この計画には、配合因子が3つと、配合因子ではない因子が1つあります。
• 応答は、アクリロニトリル粉末(アクリル樹脂の原料)の電磁波の「減衰率」
• 配合成分は、「硫酸銅(CuSO4)」・「チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)」・「グリオキサール」の3つ
• その他の因子は、分類される光の「波長」を表す環境因子
「波長」は連続尺度の変数ですが、研究者は特定の3つの波長における予測値だけを調べたかったため、3水準のカテゴリカル因子として扱っています。
「カスタム計画」を使って計画を作成する方法については、配合実験計画を参照してください。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Design Experiment」フォルダの「Donev Mixture Data.jmp」を開きます。
2. 「列」パネルで「硫酸銅(CuSO4)」のアスタリスクをクリックし、[配合]を選択します。
図A.20 「硫酸銅(CuSO4)」に対する「配合」列プロパティのパネル
次の点に注意してください。
– 「下側限界」の0.2は、「硫酸銅(CuSO4)」の最小設定値です。
– 「上側限界」の0.8は、「硫酸銅(CuSO4)」の最大設定値です。
– 「項の合計」は1に設定されています。これは、3つの配合因子の合計です。
– [最小擬似成分のコード変換]オプションが選択されています。擬似成分のコード変換を参照してください。
3. [キャンセル]をクリックします。
4. 「列」パネルで「グリオキサール」のアスタリスクをクリックし、[配合]を選択します。
この因子について、次の点を確認してください。
– 「下側限界」の0は、「グリオキサール」の最小設定値です。
– 「上側限界」の0.6は、「グリオキサール」の最大設定値です。
5. [キャンセル]をクリックします。
6. 「Donev Mixture Data.jmp」データテーブルで、「モデル」スクリプトの横にある緑の三角ボタンをクリックします。
このモデルには、配合因子の主効果と、4つの因子すべての2次交互作用が含まれています。
7. [実行]をクリックします。
「パラメータ推定値」レポートでは、各配合因子は、擬似成分のコード変換の式で表示されています。交互作用の中の配合因子も、コード変換されていますが、コード変換の式ではなく、列名のみ表示されます。パラメータ推定値自体は、擬似成分を使って計算されています。図A.21の「パラメータ推定値」レポートの最初の3つの項は、コード変換された配合因子です。
図A.21 「パラメータ推定値」レポート
8. 「応答 減衰率」の赤い三角ボタンをクリックし、[推定値]>[予測式の表示]を選択します。
「予測式」レポートには、あてはめられたモデルが表示されます。配合因子は、最小擬似成分のコード変換が施されていることに注意してください。
図A.22 「減衰率」モデルの予測式
「波長」がL2であり、かつ、「チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)」と「グリオキサール」がそれぞれ低い方の値(0.2 と0)、「硫酸銅(CuSO4)」は高い方の値(0.8)に設定されているときの予測値に興味があるとしましょう。この場合、「減衰率」の予測値は、「硫酸銅(CuSO4)」のパラメータ推定値(6.191)に「硫酸銅(CuSO4)*波長[L2]」のパラメータ推定値(1.878)を足したものになります。そのような予測値になることは、「予測プロファイル」で確認できます。
9. 「応答 減衰率」の赤い三角ボタンをクリックし、[列の保存]>[コーディングのテーブルを保存]を選択します。
図A.23 「コーディングのテーブル」の冒頭の3列に保存されたコード変換後の配合因子
このデータテーブルの計画行列では、「最小擬似成分のコード変換」により配合因子が変換されています。この例では範囲が0~1になっていますが、変換後の値が取りうる範囲は、場合によって異なります。