「モデルの比較」レポートには、推定されたすべてのモデルが一覧表示されます。「表示」列のチェックボックスにチェックを入れると、そのモデルのレポートが「モデルの比較」レポートの下に表示されます。「モデル名」の右側にある列には、モデルを比較するために参考となる各種の統計量が表示されています。
「AICc重み」の値は、「推定された複数のモデルのいずれか1つが真である場合に、ある特定のモデルが真である確率」と解釈できます。「AICc重み」が1に近いモデルが、これまで推定したモデルのなかでは、最適であることを意味します。AICc重みは、複数のモデルのAICcから、次のように算出されます。
AICc重み = exp[-0.5(AICc-min(AICc))] / sum(exp[-0.5(AICc-min(AICc))])
上の式で、min(AICc)は、これまで推定したモデルの中で最も小さいAICc値です。
「モデルの比較」レポートに表示されるその他の統計量については、構造方程式モデルの推定結果を参照してください。
メモ: モデルが収束しない場合には、「モデルの比較」レポートのモデル名の先頭にアスタリスクが表示されます。
「モデルの比較」レポートには、これまでに推定したモデルの適合度に対する判断基準として、以下の2つのモデルの統計量も表示されます。
無構造
データにいかなる構造も適用せずに、すべての顕在変数の平均パラメータ・分散パラメータ・共分散パラメータをすべて含んだモデルをあてはめます。
独立
すべての顕在変数の平均パラメータ・分散パラメータをすべて含んだモデルをあてはめます。このモデルでは、共分散パラメータはすべて0に固定しています。
「モデルの比較」の表の下に、2つのオプションがあります。これらのオプションは、「モデルの比較」の表の行をクリックして強調表示すると有効になります。
選択したモデルの比較
(表内で2行以上を強調表示したときにのみ使用可能。)包含関係(入れ子、ネスト)となっているすべてのモデルについて、カイ2乗検定を行います。この比較は、表で選択されているモデルに対して行われます。
ヒント: 選択したモデルの中に、包含関係でないモデルの組み合わせがある場合、警告が表示され、その組み合わせは「カイ2乗検定」レポートに表示されません。
選択をクリア
(表内で1つまたは複数の行を強調表示したときにのみ使用可能。)表内で選択している行の選択を解除します。
「カイ2乗検定」レポートには、包含関係となっているモデルのペアに対して、カイ2乗検定が表示されます。この表には、2種類のモデルの列があります。1列目は、制約の高いモデルで、2列目は、制約の低いモデルです。小さいほうのモデルは、大きい方のモデルに包含されます。その他の列には、カイ2乗、自由度、CFI、RMSEAの差と、包含関係のカイ2乗検定のp値があります。列名に付いているDは、差を表しています。Dカイ2乗が大きいことは、制約の低いモデルに制約を課すとあてはまりの悪さが統計的に有意に増すことを示しています。その場合、制約の低いほうのモデルを維持すべきであることを示しています。カイ2乗検定は標本サイズに影響を受けます。具体的には、標本サイズが大きいほど、このカイ2乗検定は有意になる可能性が高くなります。したがって、DCFIおよびDRMSEAも考慮するようにしてください。DCFIは–0.01、DRMSEAは0.015の範囲内に収まっているのが理想的です(Chen 2007)。
注意: このレポートのモデル比較の検定は、包含関係(入れ子関係)になっているモデルにしか行えません。
レポートの行を削除するには、赤いXボタンをクリックします。レポート全体を削除するには、表にある行をすべて削除してください。メインのレポートで、構造方程式モデルのノードを削除すると、そのモデルを含む比較検定が表から削除されます。