管理図は、工程における変動(ばらつき)を監視し、特殊原因による変動を特定するためのグラフです。管理図にて管理限界を設定して工程における変動を調べることにより、工程が予測可能で安定した状態にあるかどうかを判断できます。工程における変動が通常の状態と異なっていると判断された場合には、より低コストで高品質の製品を製造できるように工程を改善します。
管理図では、工程を経時的に測定することで、測定値のばらつきを監視します。測定値のばらつきは次の2種類に大別されます。
• 一般原因(通常原因)による変動。安定状態にある工程でも、測定値のランダムなばらつきは避けられません。ばらつきが通常原因によるものだけの場合、測定値は予測される限界内に収まります。
• 異常原因(特殊原因)による変動。特殊原因による変動は、管理図において見られるパターンによって特定できます。たとえば、工程平均がシフトしている、管理限界の外に点が見られる、測定値が徐々に上がるまたは下がる傾向にある、などが挙げられます。管理図で見られるこれらの傾向は、装置や機械の故障、装置の劣化、原材料の変化などが要因となっている可能性があります。工程において変化や不具合が生じると、通常、測定値のばらつきが通常とは異なってきます。
管理図ビルダーでは、Shewhart管理図、まれなイベントの管理図を始めとする各種の管理図を作成できます。管理図は、大きく分けると計量値管理図と計数値管理図の2つに分類されます。「まれなイベントの管理図」は、発生頻度のきわめて低い事象のための管理図です。JMPでは、分析者の目的に沿って柔軟に管理図を描くことができます。管理図は次のような方法で作成できます。
• 管理図ビルダーの対話型なワークスペースを使用する。データ列をワークスペースにドラッグすると、データタイプと標本サイズに従って適切な管理図が自動的に作成されます。
• 管理図のメニューオプションにより、起動ウィンドウを使用して、特定の種類の管理図を作成する。
上のいずれかの方法で最初の管理図が表示された後、メニューなどのオプションによって、管理図の種類を変更したり、管理図に表示する統計量を変更したり、表示形式を変更したり、他の管理図を追加したりできます。