「信頼性成長」プラットフォームでは、MIL-HDBK-189(1981)で述べられているCrow-AMSAAモデルをあてはめます。Crow-AMSAAモデルは、非同次Poisson過程モデル(NHPPモデル; non-homogeneous Poisson process models)の1つです。Crow-AMSAAモデルの強度関数は、2パラメータで、Weibull型の関数となっています。Crow-AMSAAモデルは、「べき乗則」モデルとも呼ばれています。このようなモデルは、故障強度(故障が発生する頻度)の経時的変化を表現します。Crow-AMSAAモデルの故障強度は、βとλの2つのパラメータによって表されます。
このプラットフォームでは、単一のシステムにおけるデータに対しては、4種類のモデルが用意されています。また、変化点を自動検出する機能もあります。単一のシステムに対しては、次のようなモデルが用意されています。
• 単純なCrow-AMSAAモデル。2パラメータのモデルです。両方のパラメータを、最尤法で推定します。
• Crow-AMSAA 修正最尤法。βの最尤推定値がバイアスに対して修正されます。
• いずれかのパラメータを固定したCrow-AMSAAモデル。2パラメータのうちの片方(もしくは両方)を指定された値に固定して、残りのパラメータを最尤法で推定します。
• 区分Weibull-NHPPモデル。フェーズごとに、Crow-AMSAAモデルのパラメータを推定します。ただし、このモデルは、隣り合うフェーズにおいて連続性を仮定します。
• 再初期化Weibull-NHPPモデル。フェーズごとに、Crow-AMSAAモデルのパラメータを推定します。ただし、このモデルは、過去のフェーズにおける履歴をすべて無視します。
• 変化点を自動検出した区分Weibull-NHPPモデル。この分析は、未知の2つのフェーズにおいて、故障の発生が異なっている場合に適しています。
複数のシステムに対しては、次のようなモデルが用意されています。
• 「区分Weibull-NHPP」。このモデルでは、すべてのシステムが同じ区分Weibull-NHPPモデルに従うと仮定します。このモデルでは、「システム間でのデータの違いは誤差だけが原因である」と仮定されます。このモデルには、各フェーズに1つずつのβパラメータと、全体で1つのλパラメータがあります。
• 「区分Weibull-NHPP(異なる切片)」。このモデルでは、各システムにおいて切片が異なる区分
Weibull-NHPP モデルを仮定します。このモデルには、各フェーズに1つずつのβパラメータと、各システムに1つずつのλ パラメータがあります。
• 「フェーズ別Weibull-NHPP」。このモデルでは、フェーズごとに、システムで共通のCrow-AMSAAモデルを仮定します。このモデルには、各フェーズに1つずつのβパラメータと1つずつのλパラメータがあります。
• 「個別Weibull-NHPP」。このモデルでは、各フェーズのシステムごとに、異なるCrow-AMSAAモデルを仮定します。このモデルには、システムとフェーズの組み合わせごとに1つずつのβパラメータと1つずつのλパラメータがあります。
• 「システム別Weibull-NHPP」。このモデルでは、各システムが異なるCrow-AMSAAモデルに従います。
• 「同一システムWeibull-NHPP」。このモデルでは、各システムが同一のCrow-AMSAAモデルに従います。このモデルでは、「システム間でのデータの違いは誤差だけが原因である」と仮定されます。
プロファイルによって、平均故障間隔・強度・累積故障数といった統計量の経時的変化を、対話的に見ることができます。試験期間中に、不明な時点において故障の発生頻度が変化したと考えられる場合には、変化点を検出するオプションが役立ちます。このオプションは、変化点を見つけ出し、区切られた期間ごとにモデルを推定します。