「工程のスクリーニング」の赤い三角ボタンのメニューには、表示形式をカスタマイズするオプションや、計算された統計量を保存するオプションがあります。選択された項目に対して実行されるオプションは、要約表で[列]列を右クリックしても選択できます。
要約
要約表を表示します。「工程のスクリーニング」レポートを参照してください。
検索と選択
起動ウィンドウで[工程変数]または[グループ変数]に指定した列を対象に、任意の文字列を検索できます。それらの変数ごとにテキスト入力ボックスが表示されます。検索すると、要約表において、該当する工程が選択されます。
条件による選択
「条件による選択」ウィンドウを開きます。[比較]メニューと[値]テキストボックスを使用して、特定の条件に対応する工程を要約表にて選択できます。たとえば、Ppk < 1.33となっているすべての工程を選択できます。[OK]をクリックすると、要約表で工程が選択されます。
ヒント: また、要約表の任意の場所を右クリックすることで呼び出されるメニューで選択しても、「条件による選択」ウィンドウを呼び出すことができます。
表示する要約の列
要約表に表示する列を選択できます。
選択した項目の簡易グラフ
要約表で選択されている各工程に対して、小さなグラフを描きます。このグラフは、多くの工程を一度に比較できます。各グラフは、起動ウィンドウで指定された順序で並びます。このグラフには、仕様限界の水平線も描かれます。目標値は青色の実線、LSL値とUSL値は青色の点線で描かれます。簡易グラフを削除するには、「選択した項目のグラフ」の赤い三角ボタンをクリックし、[削除]を選択します。
ヒント: 簡易グラフのレイアウトを変更するには、[選択した項目のグラフ]の赤い三角ボタンをクリックし、[横に並べるプロット数]を選択します。
選択した項目の管理図
「管理図ビルダー」ウィンドウが開きます。このウィンドウには、要約表で選択した各工程に対する管理図が描かれます。各管理図は、「工程のスクリーニング」の起動ウィンドウで指定された順序で並びます。
メモ: 「工程のスクリーニング」で選択されたテストだけが管理図ビルダーでも適用されます。オフになっているテストは適用されません。
選択した項目の工程能力分析
「工程能力」ウィンドウが開きます。このウィンドウには、要約表で選択した各工程に関する「各列の詳細レポート」が表示されます。仕様限界が指定されていない工程を選択した場合は、「仕様限界」ウィンドウが開きます。このウィンドウでは、データテーブルを選択するか、値を直接入力することで仕様限界を指定できます。
工程能力分析では、「測定値は正規分布に従う」と仮定したときの工程能力指数が算出されます。これらの工程能力指数では、「工程のスクリーニング」起動ウィンドウで選択した管理図の種類に応じて、次の統計量から群内シグマが計算されます。
– I-MR管理図の場合は、移動範囲の平均
– XBar-R管理図の場合は、範囲の平均
– XBar-S管理図の場合は、不偏標準偏差の平均
メモ: 「限界の指定」ウィンドウでシグマを指定しても、もしくは[逆算されたシグマ]オプションを指定しても、その値は工程能力分析においては使用されません。これは「工程能力」プラットフォームでは、管理限界からシグマを逆算する機能がないためです。
選択した項目を色付け
要約表で選択した行に、指定の色をつけます。
選択した項目を削除
選択された行を要約表から削除し、それらの工程を含めずに分析を再実行します。
テストの表示
「工程のスクリーニング」レポートの表に、[テストの選択]オプションで選択した、Westen Electricルールに基づくテストの結果を表示します。
テストの選択
「警告率」と「すべての警告」の計算に含めたいテストを選択します。
ヒント: 複数のテストを選択するには、Altキーを押しながら「工程のスクリーニング」の赤い三角ボタンをクリックし、メニューを開きます。
シフトの検出
外れ値を除外した後、シフトを検出します。シフトの大きさと位置を参照してください。
最大の上昇シフト
要約表に、「最大の上昇シフト」と「上昇シフトの位置」という列が追加されます。「最大の上昇シフト」は、1群内シグマを超える上昇シフトのなかで最大のものです。シフトの大きさと位置を参照してください。
最大の下降シフト
要約表に、「最大の下降シフト」と「下降シフトの位置」という列が追加されます。「最大の下降シフト」とは、1群内シグマを超える下降シフトのなかで最大のものです。シフトの大きさと位置を参照してください。
シフトグラフ
(「シフトの閾値」を超えるシフトがある場合にのみ使用可能。)「シフトの閾値」で指定した群内シグマの倍数(デフォルトは3倍)を超えるすべてのシフトの時点をプロットしたもの。シフトグラフのスライダバーを使用して、シフトの閾値を変更することもできます。スライダバーの菱形の上にマウスポインタを置くと、現在におけるシフトの閾値が表示されます。緑色のマーカーは上昇シフト、赤いマーカーは下降シフトを意味します。マーカーは、シフトのなかでも、最も大きなシフトになっている時点にプロットされます。
どの工程にシフトが生じているかを特定するには、点を選択し、[工程の選択]をクリックします。検索すると、要約表において、該当する工程が選択されます。なお、「シフトの閾値」で指定した倍数を超えるシフトが1つもない工程は、「シフトグラフ」が描かれません。
メモ: 要約表にある「最大の上昇シフト」と「最大の下降シフト」が、群内シグマに「シフトの閾値」を掛け合わせた値を下回る場合、そのシフトは「シフトグラフ」にプロットされません。「工程のスクリーニング」の別例を参照してください。
簡易グラフでシフトを表示
(簡易グラフがレポートウィンドウに追加されている場合のみ。)簡易グラフに、シフトの位置を示す緑色と赤の縦線を表示します。
ドリフトの要約
平均上昇ドリフト・平均下降ドリフト・平均絶対ドリフトの列を要約表に追加します。ドリフトの大きさと位置を参照してください。
選択した項目のドリフトグラフ
要約テーブルで選択した各工程のドリフトグラフを表示します。ドリフトグラフでは、比較的小さい、漸進的な変化を検出できます。このドリフトグラフには、Holtの線形指数平滑化モデルによって計算された傾きの推定値がプロットされます。ドリフトの大きさと位置を参照してください。各ドリフトグラフには、それぞれ群内シグマと、Holtの線形指数平滑化モデルの2つの平滑化パラメータに対する推定値が表示されます。
工程性能グラフ
(少なくとも1つの工程変数に対して仕様限界が定義されている場合にのみ使用可能。)安定性(stability)と工程能力(capability; 仕様限界への適合性)を示した4象限のグラフが描かれます。工程性能グラフを参照してください。
性能グラフの境界
(工程性能グラフがレポートウィンドウに表示されている場合にのみ使用可能。)工程性能グラフの安定指数およびPpkの境界を設定するウィンドウを開きます。
ヒント: [ファイル]>[環境設定]>[プラットフォーム]>[工程のスクリーニング]で、安定指数およびPpkの境界の設定を行えます。
ゴールプロット
(少なくとも1つの工程変数に対して仕様限界が定義されている場合にのみ使用可能。)ゴールプロットは、各変数に対し、仕様限界によって標準化した平均シフトをX軸、仕様限界によって標準化した標準偏差をY軸に置いたプロットを作成します。工程に重要度を定義した場合、ゴールプロットの点の大きさは重要度によって決まります。このグラフでは、変数が仕様限界にどのように適合しているか、どのように適合していないかを単に知ることができます。ゴールプロットとその機能の詳細については、『品質と工程』のゴールプロットを参照してください。
ヒント: ゴールプロットの点の上にカーソルを置くと、その工程の簡易グラフが表示されます。簡易グラフをクリックすると、そのグラフをレポートウィンドウに追加できます。
「ゴールプロット」の赤い三角ボタンをクリックすると、以下のオプションが表示されます。
群内シグマの点を表示
群内シグマの推定値を使って計算した点の表示/非表示を切り替えます。
群内シグマ もしくは 群間+群内シグマの点を表示
(起動ウィンドウで三元管理図が選択されている場合にのみ使用可能。)「群間+群内シグマ」の推定値を使用して計算された点の表示/非表示を切り替えます。
全体シグマの点を表示
全体シグマの推定値を使って計算した点の表示/非表示を切り替えます。
水準ごとに色を塗る
Ppk水準の陰影の表示/非表示を切り替えます。これは、デフォルトではオンです。プロット領域の色は、pとPpkの関係により塗分けられています。ここで、pはPpkの下のボックスに表示される値です。デフォルトでは、p = 1.33です。
– Ppk < pの領域は赤色に塗られます。
– p < Ppk < 2pの領域は黄色に塗られます。
– 2p < Ppkの領域は緑に塗られます。
群内シグマの点にラベル
群内シグマの推定値を使って計算した点のラベルの表示/非表示を切り替えます。
群内シグマ もしくは 群間+群内シグマの点にラベル
(起動ウィンドウで三元管理図が選択されている場合にのみ使用可能。)「群間+群内シグマ」の推定値を使用して計算された点に対して、ラベルの表示/非表示を切り替えます。
全体シグマの点にラベル
全体シグマの推定値を使って計算した点のラベルの表示/非表示を切り替えます。
不適合率の等高線
指定された不適合率を表す曲線の表示/非表示を切り替えます。
工程能力の統計量
(少なくとも1つの工程変数に対して仕様限界が定義されている場合にのみ使用可能。)要約表における各工程能力指数の表示/非表示を切り替えことができるサブメニューを表示します。
メモ: [仕様で中心化した平均]オプションの結果は、要約表の「(平均-目標値)/仕様範囲」という列に表示されます。また、[仕様で尺度化した標準偏差]オプションの結果は、要約表の「標準偏差/仕様範囲」という列に表示されます。[仕様限界]オプションの結果は、要約表の「LSL」・「USL」・「Target」の各列に表示されます。
サブメニューには、以下のオプションもあります。
仕様限界外の値に色を付ける
データテーブルの中で、仕様限界の外にある値のセルに色を付けます。値がUSLより上の場合は青で、LSLより下の場合は赤で色付けられます。
ヒント: 一部のセルの色を削除するには、まず該当するセルをすべて選択します。そして、いずれかのセルを右クリックし、[色のクリア]を選択します。すべてのセルの色を削除するには、[仕様限界外の値に色を付ける]の選択を解除します。
要約テーブルの保存
要約表に表示されるすべての情報が、「工程の要約」というデータテーブルに保存されます。仕様限界が指定されている工程が1つでもある場合は、「工程の要約」データテーブルに仕様限界の詳細も含まれます。要約表と同様に、安定指数・Ppk・Cpk・Cp・目標指数の列は、緑色・黄色・赤色に色分けされています。緑色は「適切な状態」、黄色は「微妙な状態」、赤色は「悪い状態」を意味しています。
グラフも含んだ要約テーブルの保存
「グラフ」という名前の列が追加された、「工程の要約」データテーブルが作成されます。「グラフ」列には、「工程の要約」表の各列に対する簡易グラフが含まれています。
詳細テーブルの保存
管理図の計算に関する詳細情報が、「工程の詳細」というデータテーブルに保存されます。工程変数とグループ変数の組み合わせごとに、このデータテーブルにはサブグループごとに1つの行が含まれ、次のような値が表示されます。
– サブグループの標本統計量の値。
– 管理限界。
– サブグループの標本サイズ。
– 警告が生じた場合はそれを示す値。Westen Electricルールに基づくテストのいずれかで警告が生じた場合は、テストの番号が表示されます。[範囲の限界外]テストで警告が生じた場合は、「R」の文字が表示されます。
– ドリフト
選択した詳細の保存
「工程の詳細」というデータテーブルに、要約表で選択した行の情報が保存されます。情報の種類は、[詳細テーブルの保存]で保存されるものと同じです。
以下のオプションの詳細については、『JMPの使用法』のレポートのローカルデータフィルタ、レポートの[やり直し]メニュー、およびレポートの[スクリプトの保存]メニューを参照してください。
ローカルデータフィルタ
データをフィルタリングするためのローカルデータフィルタの表示/非表示を切り替えます。
やり直し
分析を繰り返したり、やり直したりするオプションを含みます。また、[自動再計算]オプションに対応しているプラットフォームにおいては、[自動再計算]オプションを選択すると、データテーブルに加えた変更が、該当するレポートに即座に反映されるようになります。
スクリプトの保存
レポートを再現するためのスクリプトを保存するオプションが、保存先ごとに用意されています。
Byグループのスクリプトを保存
By変数の全水準に対するレポートを再現するスクリプトを保存するオプションが、保存先ごとに用意されています。起動ウィンドウでBy変数を指定した場合のみ使用可能です。