「Design Experiment」フォルダの「Coffee Data.jmp」データテーブルには、コーヒーの「濃度」を最適化するために行った実験の結果がまとめられています。実験計画と分析の詳しい内容については、コーヒーの濃度に関する実験を参照してください。
ここでは、コーヒーの「濃度」が1.3のときに満足度が最も高くなるとし、そのようなコーヒー(満足度が最も高くなるコーヒー)を淹れるには、因子をどの値に設定すればよいかを調べるとしましょう。「濃度」が1.2以下、1.4以上になると満足度が許容できない範囲になるとします。そして、満足度は、1.2~1.4の間では、1.3から離れるにつれて低くなるとします。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Design Experiment」フォルダの「Coffee Data.jmp」を開きます。
2. 「テーブル」パネルで、「DOEダイアログ」スクリプトの横にある緑の三角ボタンをクリックします。
「DOEダイアログ」のスクリプトを実行すると、「Coffee Data.jmp」にまとめられた実験計画を作成する「カスタム計画」ダイアログが再現されます。
3. 「応答」アウトラインを開きます。
図A.4 「カスタム計画」ウィンドウの「応答」アウトライン
この実験を計画したとき、応答の目標を[目標値に合わせる]に設定し、下側限界に1.2、上側限界に1.4という値を指定しました。応答が1つだけなので、「重要度」の値はデフォルトで1に設定されます。この設定にて計画のデータテーブルを作成したので、「濃度」(Strength)に自動的に「応答変数の限界」列プロパティが割り当てられました。
4. 「カスタム計画」ウィンドウを閉じます。
5. 「Coffee Data.jmp」データテーブルで「濃度」列を選択し、[列]>[列情報]を選択します。
6. 「列プロパティ」リストから[応答変数の限界]を選択します。
図A.5 「濃度」の「応答変数の限界」列プロパティ
次の点に注意してください。
– 「目標」は[目標値に合わせる]に設定されています。
– 「重要度」はありません。重要度の値を指定しなかった場合、すべての応答の重要度が等しいとみなされます。つまり、「濃度」の重要度は1に設定されます。
– 「最小値」は1.2です。
– 「最大値」は1.4です。
– 「中間値」は設定されていません。
「中間値」が設定されていないため、目標値(中間値)は、「最小値」と「最大値」の中間にあたる1.3に設定されます。
– 「満足度」の値は指定されていません。
7. [グラフ上に参照線を表示]オプションを選択します。
このオプションは、「予測値と実測値のプロット」と「予測プロファイル」に最小値・中間値・最大値を示す水平の参照線を表示します。
8. [OK]をクリックします。
9. 「Coffee Data.jmp」データテーブルで、「縮小モデル」スクリプトの横にある緑の三角ボタンをクリックします。
10. [実行]をクリックします。
レポートの末尾に「予測プロファイル」が表示されます。
図A.6 「濃度」の満足度関数を示すプロファイル
一番右上のセルに、「濃度」に対する満足度関数を示すプロットが表示されます。このプロットが表示されるのは、「濃度」に「応答変数の限界」列プロパティが含まれているためです。「予測プロファイル」には、「濃度」の最小値と最大値を示す参照線も表示されています。
11. Ctrlキーを押しながら「濃度」の満足度のプロットをクリックします。
図A.7 「濃度」の「応答目標」ウィンドウ
次の点に注意してください。
– 「中」は、「応答変数の限界」列プロパティで指定した最小値と最大値の真ん中の値に自動的に設定されます。
– 「目標」が[目標値に合わせる]に設定されているため、「中」の値の満足度は1となります。
– 「高」と「低」の満足度は、0.0183という非常に小さい値に設定されます。
– 図A.6の満足度のプロットでは、図A.7に表示されている満足度の値が使用されています。「濃度」が最大値より大きい、あるいは最小値より小さい場合、満足度はほぼ0です。そして、「濃度」が目標の1.3に近づくにつれて満足度は徐々に1に近づきます。モデルには応答が1つしかないため、応答の「重要度」は1に設定されます。
12. [キャンセル]をクリックしてウィンドウを閉じます。
13. 「予測プロファイル」の赤い三角ボタンをクリックし、[最適化と満足度]>[満足度の最大化]を選択します。
「濃度」の満足度関数が最大になるように、「時間」と「豆の量」の値が更新されます。ただし、満足度関数を最大にする設定は、他にも多数あります。満足度関数を最大化するその他の設定を調べる方法については、『プロファイル機能』の等高線プロファイルを参照してください。