工程を最適化する場合、連続尺度の因子とともにカテゴリカルな因子を実験に含めたい場合があります。バッチや日などの質的因子をブロック因子として含める、また、機械や供給機構などの質的因子を含める、等の状況があるでしょう。「応答曲面計画」プラットフォームでは、古典的な応答曲面計画しか作成できず、連続尺度の因子しか扱えません。そのような場合でも、計画を反復させれば、カテゴリカルな因子を含む応答曲面計画を作成できます。しかし、そのような方法で作成された応答曲面計画は効率的ではありません。一方、「カスタム計画」プラットフォームを使えば、少ない実験回数で最適な応答曲面計画を、カテゴリカルな因子を含む場合でも作成できます。
この例では、連続変数の因子が2つ、ブロック因子が1つ、ブロックあたりの実験数が4の応答曲面計画を作成します。この例ではブロック因子しか扱いませんが、カテゴリカルな因子や離散数値の因子も含めることができます。
1. [実験計画(DOE)]>[カスタム計画]を選択します。
2. 「N個の因子を追加」の右側のボックスに「2」と入力します。
3. [因子の追加]>[連続変数]を選択します。
4. [因子の追加]>[ブロック]>[ブロックあたり4実験]を選択します。
「値」の下に水準が1つしか表示されていません。これは、実験回数が決まるまで、JMPがブロックの数を判断できないためです。
図5.35 「因子」アウトラインに2つの連続尺度の因子と1つのブロック因子を追加
5. [続行]をクリックします。
デフォルトの実験回数は12です。これにより、「因子」アウトラインのブロック因子X3の水準が3つになります。X3のブロックあたりの実験数を4としたため、実験数の合計が12回なら、ブロック数は3になります。
6. [RSM]をクリックします。
交互作用項または2乗項にはブロック因子を設定できないという警告ダイアログが表示されます。JMPは、適切な2乗項と2因子間交互作用項だけをリストに追加します。
7. [OK]をクリックして、メッセージを閉じます。
X1とX2の2次までの項がモデルに追加されます。[RSM]ボタンをクリックしたので、推奨される最適化法がD-最適化基準からI-最適化基準に変わります。これは、後で「計画の診断統計量」アウトラインで確認できます。
図5.36 「モデル」アウトラインで応答曲面効果を指定
メモ: 乱数シード値(ステップ8)と開始点の数(ステップ9)を設定すると、以下の数値例と同じ実験設定が得られます。同じ実験設定でなくても良い場合は、これらの手順は不要です。
8. (オプション)「カスタム計画」の赤い三角ボタンをクリックし、[乱数シード値の設定]を選択します。次に、「12345」と入力して[OK]をクリックします。
9. (オプション)「カスタム計画」の赤い三角ボタンのメニューから[開始点の数]を選択し、「5」と入力して[OK]をクリックします。
10. [計画の作成]をクリックします。
11. 「計画の評価」>「計画の診断統計量」アウトラインを開きます。
図5.37 「計画の診断統計量」アウトライン
「計画の診断統計量」アウトラインの1行目より、使用された最適化基準を知ることができます。この計画では、I-最適化基準が使われたので、「I-最適計画」と表示されています。
12. [テーブルの作成]をクリックします。
図5.38 ブロック因子を含む計画テーブル
デフォルトの「実験の順序」は[ブロック内でランダム化]だったので、ブロック因子(X3)によって並べ替えられています。
13. 計画のデータテーブルにおけるテーブルパネルで、「モデル」スクリプトの横にある緑の三角ボタンをクリックします。
図5.39 「モデルのあてはめ」ウィンドウ
次の点に注意してください。
– ブロック因子(X3)は主効果としてモデルに含まれています。
– X3に関する交互作用はモデルに含まれていません。
– その他の5つの効果は、X1とX2の2次応答曲面モデルを構成しています。