[行ごとの診断統計量]メニューでは、データの各行(各オブザベーション)に関する統計量を求めます。
回帰プロット
回帰プロットを表示します。このグラフには、データ点と回帰直線が描かれます。カテゴリカルな効果がある場合、その水準ごとに回帰直線が描かれます。
このオプションは、モデルに1つの連続尺度の効果と、1つ以下のカテゴリカルな効果がある場合にのみ表示されます。その場合、「回帰プロット」レポートはデフォルトで表示されます。
予測値と実測値のプロット
Yの予測値と実測値を示すプロットを表示します。このプロットは、モデル全体に対するてこ比プロットです。てこ比プロットを参照してください。
メモ: 「モデルのあてはめ」起動ウィンドウで「強調点」として[効果てこ比]または[要因のスクリーニング]を選択し、R2乗の値が0.999未満の場合は、デフォルトで「予測値と実測値のプロット」が表示されます。
効果てこ比のプロット
モデルの効果ごとに、てこ比プロットを表示します。てこ比プロットによって、各データ行が効果の検定に与える影響や、多重共線性を知ることができます。てこ比プロットを参照してください。
メモ: 「モデルのあてはめ」起動ウィンドウで「強調点」として[効果てこ比]を選択し、R2乗の値が0.999未満の場合は、デフォルトで「効果てこ比プロット」が表示されます。各効果に対するてこ比プロットは「モデル全体」レポートの右側にデフォルトで表示されます。別の強調点を選択した場合、てこ比プロットは、オプションを選択すると「効果の詳細」レポートの下に表示されます。どちらにしても、てこ比プロットを表示するには、[回帰レポート]>[効果の詳細]が選択されていなければいけません。
予測値と残差のプロット
予測値と残差のプロットを表示します。このグラフでは、Yの予測値に対して残差がプロットされます。通常、残差は、0を中心にしてランダムに散らばります。
メモ: 「モデルのあてはめ」起動ウィンドウで「強調点」として[効果てこ比]または[要因のスクリーニング]を選択し、R2乗の値が0.999未満の場合は、デフォルトで「予測値と残差のプロット」が表示されます。
行番号と残差のプロット
行番号と残差のプロットを表示します。このグラフでは、行番号に対して残差がプロットされます。データにおける出現順によって、残差にパターンがあるかどうかを確認するのに役立ちます。
スチューデント化残差プロット
「スチューデント化残差」プロットを表示します。プロット上の各点は、現在のデータ行を除外して求めた標準偏差の推定値を使って計算されます。この方法で計算された残差は、「外部スチューデント化残差(externally Studentized residuals)」などと呼ばれています。
プロットには、以下の2種類の信頼区間が表示されます。
– 外側に赤で示される信頼区間は、Bonferroni調整を加えた95%信頼区間であり、± tQuantile(0.025/n, n–p–1)で計算されています。ここで、nはデータの行数(標本サイズ)、pは説明変数の個数です。
– 内側に緑で示される信頼区間は、t分布に従う個々の95%信頼区間であり、± tQuantile(0.025, n–p–1)で計算されています。ここで、nはデータの行数(標本サイズ)、pは説明変数の個数です。
赤の信頼限界の外側にある点は、外れ値である可能性が高いと見なすことができます。緑と赤の信頼限界の間にある点は、やはり外れ値である可能性が高いですが、外れ値である確率は上記の点よりは低くなります。これらの信頼区間における信頼水準(95%)は、「モデルの指定」ウィンドウで[有意水準の設定]を選択した場合でも変更されません。
注意: [列の保存]>[スチューデント化残差]オプションのほうで保存される残差は、外部スチューデント化残差ではありません。
メモ: モデルに変量効果が含まれており、起動ウィンドウで「手法」を[REML]に設定した場合、「スチューデント化残差」プロットには信頼限界が描かれず、また、プロットされる点は外部スチューデント化残差ではありません。
正規分位点と残差のプロット
(起動ウィンドウで「手法」を[REML]に設定した場合は使用できません。)残差の正規分位点プロットを表示します。正規分布の分位点に対して残差がプロットされます。このプロットは、残差の正規性を調べるのに役立ちます。
PRESS
PRESSと、そのRMSE(平均平方誤差の平方根)を表示します。PRESSは、複数のモデルを比較する時に役立ちます。モデルが良いと、PRESSの値は小さくなります(PRESSを参照)。
Durbin-Watson比
(度数列を指定したときは使用できません。)「Durbin-Watson」レポートを表示します。このレポートには、誤差に1次の自己相関があるかどうかを検定するDurbin-Watson比が表示されます。また、残差の自己相関と、Durbin‐Watson統計量に関する正確なp値(Prob<DW)も表示されます。このオプションは、時系列データでデータ行が時間順に並んでいる場合にのみ適切です。