測定システム分析で用いるモデルの種類は、データの収集方法によって異なります。たとえば、複数のオペレータ(測定者)が同じ部品を測定している場合は交差モデルを用います。しかし、オペレータごとに異なる部品を測定している場合は枝分かれモデルを用います。具体例として、BがAから枝分かれしているとして、次のように、na×nb×nw個の測定値があるとします。
• 変量効果Aの水準がna個
• Aの各水準にnb個ずつある変量効果Bの水準がna×nb個
• A内のBの各水準にnw個ずつある変量効果がna×nb×nw個
Zは、各階層における変量効果を表します。どのZも、その他の変量効果とは相関がない、平均がゼロの変量効果と仮定されています。この仮定のもとでは、応答Yの分散は、各Z成分の分散の和として求められます。
表5.3は、使用できるモデルと、各モデル内の効果をまとめたものです。
モデル |
因子 |
モデル内の効果 |
---|---|---|
主効果 |
1 2 無制限 |
A A, B 因子数に合わせて以下同様 |
交差 |
1 2 3 4 無制限 |
A A, B, A*B A, B, A*B, C, A*C, B*C, A*B*C A, B, A*B, C, A*C, B*C, A*B*C, D, A*D, B*D, A*B*D, C*D, A*C*D, B*C*D, A*B*C*D 因子数に合わせて以下同様 |
枝分かれ |
1 2 3 4 無制限 |
A A, B(A) A, B(A), C(A,B) A, B(A), C(A,B), D(A,B,C) 因子数に合わせて以下同様 |
交差後、枝分かれ |
3 |
A, B, A*B, C(A,B) |
枝分れ後、交差 |
3 |
A, B(A), C, A*C, C*B(A) |