「分散が等しいことを調べる検定」レポートには、標準偏差、「グループの平均と各観測値との差の絶対値」を平均した値、「グループの中央値と各観測値との差の絶対値」を平均した値、および検定の要約が表示されます
等分散性の検定からグループの分散が有意に異なることがわかったときは、通常のANOVA検定ではなく、Welchの検定を使用した方がよいかもしれません。Welchの統計量は、通常の一元配置分散分析におけるF検定の枠組みを用いていますが、グループごとの不偏分散の逆数で加重された平均が計算に使われています(Welch 1951; Brown and Forsythe 1974; Asiribo and Gurland 1990)。水準が2つしかないとき、Welchの一元配置分散分析は分散が等しくない場合のt検定と等価です。
水準
因子の水準。
度数
各群の標本サイズ(各水準の度数)。
標準偏差
X変数の水準ごとの応答変数の標準偏差。O’Brien検定における変換された変数のグループ平均は、標準偏差の2乗(分散)です。データが1つしかない水準については、標準偏差は計算されません。
平均からの平均絶対偏差
グループ平均からの偏差の絶対値を平均した値。Levene検定における変換された変数のグループ平均は、それらの絶対偏差を平均したものです。
中央値からの平均絶対偏差
グループ中央値からのYの偏差の絶対値を平均した値。Brown-Forsythe検定における変換された変数のグループ平均は、それらの絶対偏差を平均したものです。
検定
実行された検定の種類。
F値
検定ごとの方法で計算されたF統計量。等分散性の検定を参照してください。
分子自由度
各検定の分子で使用される自由度。因子の水準数をkとすると、分子にはk-1個の自由度があります。O’Brien、Brown-Forsythe、およびLeveneの統計量の計算では、データが1つしかない水準は無視されます。その場合の分子自由度は、計算に使用された水準数からさらに1を引いたものになります。
分母自由度
各検定の分母で使用される自由度。O’Brien、Brown-Forsythe、およびLeveneでは、検定統計量の計算に使用された因子水準の数だけ自由度が引かれます。因子の水準数をkとすると、分母自由度はn - kとなります。
p値
「分散がすべての水準にわたって等しい」という仮定のもとで、現在のF値より大きなF値を得る確率。
メモ: X変数のいずれかの水準で標本サイズが5に満たない場合は、警告が表示されます。標本サイズが小さいときの上記の検定の性能については、Brown and Forsythe(1974)とMiller(1972)を参照してください。
F値
平均が等しいかどうかを調べる検定のF統計量。
分子自由度
検定の分子で使用される自由度。因子の水準数をkとすると、分子にはk-1個の自由度があります。標本サイズが1しかない水準は、Welchの一元配置分散分析の計算には使用されません。その場合の分子自由度は、計算に使用された水準数からさらに1を引いたものになります。
分母自由度
検定の分母で使用される自由度。等分散性の検定を参照してください。
p値(Prob>F)
「母平均がすべての水準において等しい」という仮定のもとで、現在のF値より大きなF値を得る確率。p値が0.05以下の場合には、「いずれかの平均が他の平均と異なっている」ことを示す証拠があるとみなされます。
t検定
F値とt値の関係を示すために出力されます。t値は、F値の平方根です。この結果は、X変数の水準が2つのときにだけ表示されます。