比例ハザードモデルにおけるパラメータ推定は、反復計算によって行われます。反復計算が終了した時点で、図15.5のようなレポートが表示されます。
図15.5 「比例ハザードモデルのあてはめ」レポート
反復の履歴
パラメータを推定するために行われた反復計算の履歴がリスト形式で表示されます。
モデル全体
現在のモデルと、説明変数を1つも含めなかったモデルの両方について、対数尤度に-1を掛けたもの(「(-1)*対数尤度」)が表示されます。それらの対数尤度の差を2倍したものが、カイ2乗分布に近似される検定統計量です。この検定は、「モデルに含めたいずれの効果も生存曲線に違いを生じさせない」という帰無仮説に対する検定となっています。この検定統計量の「自由度」は、対数尤度の差を計算した2つのモデルのパラメータ数の差です。『基本的な回帰モデル』の尤度・AICc・BICを参照してください。
パラメータ推定値
パラメータ推定値、その標準誤差、両側95%信頼区間の下限と上限が表示されます。説明変数が連続尺度の場合、信頼区間にゼロが含まれていなければ、該当する効果は統計的に有意です。カテゴリカルな場合、その水準の信頼区間にゼロが含まれていなければ、その水準と全水準の平均との差が有意であることを意味します。
効果に対する尤度比検定
「効果のパラメータがすべてゼロである」という帰無仮説に対する尤度比検定が計算されます。
平均におけるベースライン生存曲線
データのイベントが生じた時間に対して、ベースライン関数の推定値をプロットします。「表」レポートの値がここにプロットされます。