多変量管理図では、工程におけるシフトをすばやく検出し、特殊原因による変動が生じていないか工程を監視できます。
図10.6は、多変量管理図の例の手順に従って作成したものです。
図10.6 多変量管理図
ヒント: その他のオプションについては、「多変量管理図」プラットフォームのオプションを参照してください。
多変量管理図には、HotellingのT2統計量がプロットされます。管理限界の計算方法は、目標値が指定されているかどうかによって異なります。T2統計量と上側管理限界(UCL; Upper Control Limit)の計算方法については、多変量管理図の統計的詳細を参照してください。管理限界の詳細については、Tracy, et al(1992)を参照してください。
上の例では、両方のデータセットの「主成分分析」レポートで、「固有値」の1行目の値(主成分分析の第1主成分に対応)が、分析対象の変数による総変動の約95%を説明しています。両方の「固有ベクトル」表を見ると、第1主成分が主に「燃料」と「蒸気量」の情報を表していることがわかります。このことから、この第1主成分だけに着目した方が、感度がより良い管理図を作成できると予想できます。「主成分分析」レポートの詳細については、主成分分析を参照してください。