伝達関数
(起動ダイアログで入力系列を指定した場合のみ。)「伝達関数モデルの指定」ウィンドウが開きます。伝達関数モデルは、ARIMAモデルと同様、試行錯誤しながら探索・推定・比較を行うことにより作成していきます。伝達関数モデルを作成する前のデータを検討する際に、データを白色化(prewhiten)すると効果的なことがあります。白色化を参照してください。伝達関数の詳細については、伝達関数の統計的詳細を参照してください。
メモ: 現時点での[伝達関数]オプションは、欠測値に完全には対応していません。また、「時系列分析」プラットフォームでは、除外された行も欠測値として扱うため、除外された行を含むデータテーブルでも伝達関数をあてはめることはできません。
図18.7 「伝達関数モデルの指定」ウィンドウ
「伝達関数モデルの指定」ウィンドウは、以下のセクションに分かれています。
ノイズ系列の次数
ノイズ系列(雑音系列)について指定します。小文字のアルファベットは非季節性多項式の係数、大文字のアルファベットは季節性多項式の係数です。
入力を選択
モデルの入力系列を選択します。
入力系列の次数
入力系列について指定します。最初の3つの次数は非季節性多項式、次の4つの次数は季節性多項式に関連します。最後のオプションは入力ラグの次数です。
そのほか、モデルのあてはめを制御するオプションが3つあります。
切片
モデルに切片を含めるかどうかを指定します。チェックを外すと、mはゼロだとみなされます。
代替パラメータ化
分子の多項式において、一般的な回帰係数を因数分解してパラメータ化するかどうかを指定します。
制約付きあてはめ
AR係数およびMA係数に制約をつけます。
予測する期数
将来予測する時点数を指定します。データテーブルの最後に、Y変数の欠測値と入力変数の非欠測値を含む行がある場合は、これらの行が当初の設定値として使用されます。入力変数の値は、入力変数の将来値として扱われます。
予測区間
予測区間の信頼水準を指定します。
複数のARIMAモデル
「複数のARIMAモデル」ウィンドウが開き、次数の範囲を指定することで複数のARIMAまたは季節ARIMAモデルをあてはめることができます。ウィンドウに範囲を入力すると、それに応じて「モデルの総数」が更新されます。
図18.8 「複数のARIMAモデル」の指定ウィンドウ
モデルを指定し、[推定]をクリックすると、レポートウィンドウに各モデルのレポートが追加されます。レポートを参照してください。
モデルの予測値をまとめて保存
レポートにあるすべてのモデルの結果をまとめた新しいデータテーブルを作成します。
スペクトル密度の保存
スペクトル密度とピリオドグラムを含むテーブルが作成されます。そのテーブルでは、i+1番目の行が周波数fi = i / N(つまり1/Nのi次調波)に該当します。新しいデータテーブルには以下の列があります。
周期
i次調波の周期、1/fi
周波数
i次調波の周波数、fi
角周波数
i次調波の角周波数、2pfi
正弦(sin)
Fourierの正弦係数、ai
余弦(cos)
Fourierの余弦係数、bi
ピリオドグラム
ピリオドグラム、I(fi)
スペクトル密度
ピリオドグラムを平滑化したもの
予測する期数
将来予測の時点数を指定するためのウィンドウが開きます。デフォルト値は、「時系列分析」起動ダイアログボックスで設定した値になっています。値を変更すると、その指定された新しい値が、将来予測において使用されます。
最大反復回数
ARIMAモデルの推定に使用する最適化計算での最大反復回数を指定するウィンドウが開きます。
以下のオプションの詳細については、『JMPの使用法』のレポートのローカルデータフィルタ、レポートの[やり直し]メニュー、およびレポートの[スクリプトの保存]メニューを参照してください。
ローカルデータフィルタ
データをフィルタリングするためのローカルデータフィルタの表示/非表示を切り替えます。
やり直し
分析を繰り返したり、やり直したりするオプションを含みます。また、[自動再計算]オプションに対応しているプラットフォームにおいては、[自動再計算]オプションを選択すると、データテーブルに加えた変更が、該当するレポートに即座に反映されるようになります。
スクリプトの保存
レポートを再現するためのスクリプトを保存するオプションが、保存先ごとに用意されています。
Byグループのスクリプトを保存
By変数の全水準に対するレポートを再現するスクリプトを保存するオプションが、保存先ごとに用意されています。起動ウィンドウでBy変数を指定した場合のみ使用可能です。