[溶出曲線分析]オプションによって、標準製剤の溶出曲線に最も類似した製剤を製造する因子設定を探し出してみましょう。試験製剤は16種類があり、それらの各種類でそれぞれ6粒の錠剤を調べました。試験製剤の各種類は、4つの因子の異なる組み合わせで製造されています。標準製剤の因子設定は未知です。まず、試験製剤の溶出曲線を、標準製剤の溶出曲線と比較してみましょう。その後、[曲線実験計画分析]オプションを使用して、適切な因子設定を探し出しましょう。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Dissolution DoE.jmp」を開きます。
2. [分析]>[発展的なモデル]>[曲線のあてはめ]を選択します。
3. [各行が1つの関数]タブをクリックします。
4. 「溶出 60」から「溶出 360」までを選択し、[Y, 応答変数]をクリックします。
5. 「バッチ」を選択し、[グループ化]をクリックします。
6. 「ポリマー A」・「ポリマー B」・「ポリマー総量」・「圧縮力」を選択し、[Z, 追加]をクリックします。
7. [OK]をクリックします。
8. 「曲線のあてはめ」の赤い三角ボタンをクリックし、[溶出曲線分析]>[モデルフリーの比較]>[F2分析]を選択します。
9. 「溶出曲線の指定」ウィンドウで、「バッチ」における標準群(標準製剤)として[R01]を指定します。
10. (オプション)「溶出曲線の指定」ウィンドウで、「乱数シード値」の横に「1234」と入力します。
11. [OK]をクリックします。
図14.13 「F2分析」レポート
F2類似性指標によると、4つの製剤( A02, A04, A07, A13)の溶出曲線は、標準製剤の溶出曲線に類似しているようです。これらすべての製剤で、F2の両側90%信頼区間の下限が50を超えています。「比較」セクションでさまざまなタブを選択すると、それぞれの試験錠剤と標準錠剤を比較した結果を見ることができます。
F2分析は、どの試験製剤が標準製剤に類似しているかを判断する材料となります。しかし、ある試験製剤が標準製剤に類似していると判断できる場合に、F2分析だけからはどうして類似しているかの理由については分かりません。[曲線実験計画分析]分析オプションは、起動ウィンドウで指定された4つの追加変数の関数としてF2をモデル化する一般化回帰分析を実行します。
1. 「F2分析」の赤い三角ボタンをクリックし、[曲線実験計画分析]を選択します。
F2が大きいほど、試験製剤が標準製剤に類似していることを示します。そこで、F2を最大化するような因子設定を探し出すことにします。
2. 「曲線実験計画プロファイル」の赤い三角ボタンをクリックし、[最適化と満足度]>[満足度関数]を選択します。
3. 「曲線実験計画プロファイル」の赤い三角ボタンをクリックし、[最適化と満足度]>[満足度の最大化]を選択します。
図14.14 F2の曲線実験計画分析
標準製剤の溶出曲線に最も類似した溶出曲線をもつ製剤の製造設定として、以下の因子設定が探し出されました。
ポリマー A(0.725)
ポリマー B(0.275)
ポリマー総量(0.12)
圧縮力(2500)