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公開日: 09/19/2023

D-最適計画とI-最適計画の比較

「カスタム計画」および「計画の比較」プラットフォームを使い、2因子の応答曲面計画を題材にして、I-最適とD-最適の違いについて検討します。

I-最適計画

1. [実験計画(DOE)]>[カスタム計画]を選択します。

2. 「N個の因子を追加」の右側のボックスに「2」と入力します。

3. [因子の追加]>[連続変数]を選択します。

4. [続行]をクリックします。

5. [RSM]をクリックします。

X1X2の2次までの項がモデルに追加されます。[RSM]ボタンをクリックしたので、推奨される最適化法がD-最適化基準からI-最適化基準に変わります。これは、後で「計画の診断統計量」セクションで確認できます。

メモ: 次の2つの手順にて乱数シード値を設定すると、以下の数値例と同じ結果が得られます。同じ結果でなくても良い場合は、これらの手順は不要です。

6. (オプション)「カスタム計画」の赤い三角ボタンをクリックし、[乱数シード値の設定]を選択します。次に、「123」と入力して[OK]をクリックします。

7. (オプション)「カスタム計画」の赤い三角ボタンのメニューから[開始点の数]を選択し、「5」と入力して[OK]をクリックします。

8. [計画の作成]をクリックします。

図5.38 I-最適計画 

I-最適計画

このI-最適計画では、実験1, 3, 5, 6が中心点です(X1 = 0かつX2 = 0)。I-最適計画は、D-最適計画よりも、より多くの点を計画領域の中心に配置する(その結果、端の方の点は少なくなる)傾向にあります。

9. [テーブルの作成]をクリックし、「IOptDesign」として保存します。

このデータテーブルには、I-最適計画が含まれます。テーブルを開いたままにしておいてください。次の節では、D-最適計画を生成し、比較します。

D-最適計画

I-最適計画とD-最適計画の「予測分散プロファイル」と「計画領域率プロット」を比較するため、次の手順に従ってください。

1. I-最適計画を含む「カスタム計画」ウィンドウで、[戻る]をクリックします。

メモ: 次の2つの手順に従って乱数シード値と開始点の数を設定すると、例と同じ結果が得られます。同じ結果でなくても良い場合は、これらの手順は不要です。

2. (オプション)「カスタム計画」の赤い三角ボタンをクリックし、[乱数シード値の設定]を選択します。次に、「123」と入力して[OK]をクリックします。

3. (オプション)「カスタム計画」の赤い三角ボタンのメニューから[開始点の数]を選択し、「5」と入力して[OK]をクリックします。

4. [カスタム計画]の赤い三角ボタンをクリックし、[最適化基準]>[D-最適計画の作成]を選択します。

5. [計画の作成]をクリックします。

図5.39 D-最適計画 

D-最適計画

このD-最適計画では、実験6だけが中心点にあります。D-最適計画は、I-最適計画に比べ、多くの実験を計画領域の端の方に配置する傾向があります。I-最適計画には中心実験が4つあったことを思い出してください。

6. [テーブルの作成]をクリックし、「DOptDesign」として保存します。

計画の比較

1. 「IOptDesign」テーブルをクリックしてアクティブにします。

2. [実験計画(DOE)]>[計画の診断]>[計画の比較]を選択します。

3. 「IOptDesign」と比較するテーブルとして「DOptDesign」を選択し、[OK]をクリックします。

4. スクロールして予測分散プロファイルに移動します。

図5.40 予測分散プロファイルの比較 

予測分散プロファイルの比較

計画領域の中心における相対的な予測分散は、I-最適計画での0.208333に対し、D-最適計画では0.53562となっています。つまり、D-最適計画における予測値の相対的な標準誤差は0.732で、I-最適計画のものは0.456です。計画領域の中心において、他がすべて同じでも、D-最適計画に基づく予測応答の信頼区間は、I-最適計画に基づく信頼区間より約60%広くなります。

「計画」セクションを見ると、X1 = -1, 0, 1とX2 = -1, 0, 1との組み合わせとして、全部で9つの計画点があります。D-最適化基準は、これらの9つの各計画点での相対的な予測分散を小さくしようとします。X1X2の縦線を-1と1まで動かし、計画領域の端での分散を調べてみましょう。計画領域の端での分散は、D-最適計画のほうが、I-最適計画よりも小さくなるのが普通です。

5. スクロールして計画領域率プロットに移動します。

図5.41 計画領域率プロット 

計画領域率プロット

各プロットの赤い十字は、計画領域の50%に対する最大予測分散を示しています。計画領域の50%において、I-最適計画の最大予測分散は約0.27、D-最適計画の最大予測分散は約0.4です。

I-最適計画の曲線は、計画領域の90%以上において、D-最適計画の曲線より下にあります。これは、I- 最適計画が、すべての計画領域における予測分散を最小化しようとするためです。一方でD-最適計画は、モデル項を良く推定することに重点を置きます。

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