「カスタム計画」プラットフォームの「因子」アウトラインでは、共変量を変更が[困難]な因子に指定できます。たとえば、材料のバッチに関する測定値があり、それらの情報も計画や分析に用いたいとします。あるいは、人に関する測定値があり、それらの人の集団から、試験に参加する人を選ぶとします。これらの測定値は、実験や試験に先立って測定されているため、共変量とみなされます。
実験計画において、バッチや人は一次単位に該当します。実際の場面では、それらの一次単位(バッチや人)の一部だけで実験したい場合もあるでしょう。一次単位の共変量に関するデータが事前に入手できる場合、それらの共変量の情報に基づいて一次単位を最適な方法で抜き出すことができます。
また、「モデル」セクションの項で構成されるモデルには、共変量と実験の因子とで構成された交互作用やべき乗も含めることができます。
メモ: ある共変量の因子を[困難]に設定した場合、残りの共変量もすべて[困難]に設定されます。その他の因子は、必ず[容易]に設定してください。このアルゴリズムは、行交換と座標交換の組み合わせを必要とするため、比較的小さい計画でも、生成に時間がかかることがあります。
Goos and Jones(2011、Chapter 9)およびJones and Goos(2015)は、ポリプロピレン製の樹脂版に関する実験を取り上げています。ポリプロピレン製の樹脂版が、大規模なバッチごとに、さまざまな製法で製造されます。製造された一部の樹脂版はすぐに使用されますが、残りは実験を行うために保管されています。保管されている樹脂版がどのような組成であるかは分かっています。
ある顧客から、特殊な成形の依頼が来ました。そして、顧客が要望する成形をプラズマ処理で行うのに、どのプラズマ処理がよいかを決めるため実験することにしました。異なる製法で製造された樹脂版のバッチごとの組成は、変更が困難です。実験では、いくつかのプラズマ処理を樹脂版のサブバッチごとに適用することにしました。
「カスタム計画」は、このような状況において、どのバッチを用いるか、各バッチでどれだけの枚数の樹脂版を用いるか、各樹脂版にどのプラズマ処理を適用するか、について最適な計画を作成できます。この最適計画においては、どのバッチを用いるかや、各バッチから何枚、樹脂版を抜き出して用いるかは、バッチごとの共変量に依存します。
変更が困難な共変量の例は、カスタム計画の例で述べられています。