この例では、「計画の評価」プラットフォームを使って、決定的スクリーニング計画とPlackett-Burman計画を比較する方法を紹介します。Plackett-Burman計画も、因子のスクリーニングに使われる計画で、一部実施要因計画の代わりに使われる場合があります。Plackett-Burman計画では、主効果と交互作用との間に複雑な部分交絡が存在しています。
「計画の比較」プラットフォームのさまざまな使用例については、同じ実験回数の計画を使った例を参照してください。
1. [実験計画(DOE)]>[決定的スクリーニング]>[決定的スクリーニング計画]を選択します。
2. 「N個の因子を追加」に「4」と入力し、[連続変数]をクリックします。
3. 「N個の因子を追加」に「2」と入力し、[カテゴリカル]をクリックします。
「スクリーニング計画」ウィンドウは、Figure 8.17のようになります。
図8.17 4つの連続尺度の因子と2つのカテゴリカル因子を含む決定的スクリーニング計画
4. [続行]をクリックします。
この例は、ブロック因子を必要としません。「計画のオプション」セクションで、[ブロック因子なし]オプションを選択します。
実験のサイズをほぼ同じにしたうえで比較したいので、元の決定的スクリーニング計画に実験を追加しないことにします。
5. 「追加の実験回数」で「0」を選択します。
6. [計画の作成]をクリックします。
生成された計画の実験数は14です。
7. 「計画の評価」>「相関のカラーマップ」セクションを開きます。
図8.18 決定的スクリーニング計画のカラーマップ
カテゴリカルな主効果の間には、僅かな相関があります。また、それらと連続尺度の主効果との間にも、僅かな相関があります。しかし、これくらい僅かな相関であれば、推定精度はそれほど悪化しません。
8. 以下でPlackett-Burman計画のカラーマップと比較できるよう、「決定的スクリーニング計画」ウィンドウを開いたままにしてください。
次に、同じ因子構造を使用してPlackett-Burman計画を作成します。
1. [実験計画(DOE)]>[古典的な計画]>[2水準スクリーニング]>[スクリーニング計画]を選択します。
2. 「N個の因子を追加」に「4」と入力し、[連続変数]をクリックします。
3. 「N個の因子を追加」に「2」と入力し、[カテゴリカル]>[2水準]をクリックします。
4. [続行]をクリックします。
5. [一部実施要因計画の一覧から選択]を選択し、[続行]をクリックします。
「計画のリスト」に、計画候補が表示されます。
図8.19 Plackett-Burman計画
6. 実験回数12のPlackett-Burman計画を選択します(Figure 8.19)。
7. [続行]をクリックします。
8. 「計画の評価」>「相関のカラーマップ」セクションを開きます。
実験回数12のPlackett-Burman計画のカラーマップと、実験回数14の決定的スクリーニング計画のカラーマップを比較します。
図8.20 Plackett-Burman計画の相関(左)と決定的スクリーニング計画の相関(右)
Figure 8.20は、両方のカラーマップを表示していますが、Plackett-Burman計画のカラーマップは、主効果と2因子間交互作用を含む部分だけを示しています。(Plackett-Burman計画のカラーマップに3因子間交互作用を含めないようにするには、計画テーブルを作成してから、[計画の評価]プラットフォームを使用してカラーマップを作成してください。)
左側のPlackett-Burman計画のカラーマップでは、ほとんどの2因子間交互作用と主効果に相関があることがわかります。つまり、2因子間交互作用により、1次主効果の推定値にバイアス(偏り)が生じます。そのため、2因子間交互作用が実際に存在している場合には、影響をもつ主効果を特定できなかったり、影響をもたない主効果を「影響がある」と間違って結論してしまったりする可能性があります。
このカラーマップを右側の決定的スクリーニング計画のものと比較してみましょう。2回の実験を追加しただけで、決定的スクリーニング計画では、1次の主効果のあいだに僅かながら相関がありますが、1次主効果と2因子間交互作用とは直交しています。