この節では、「非線形回帰」プラットフォームを用いて、左側打ち切りデータを分析する一例を紹介します。この例では、潜在的にはゼロ以下の応答が、データではゼロと観測されています。
メモ: 応答がゼロ以上の値しかとらず、ゼロで打ち切られているモデルは、Tobit(トービット)モデルと呼ばれており、経済学で広く使われています。このモデルは、ゼロで打ち切られた正規分布を仮定しています。データ値がゼロとなっている行は、左側打ち切りになっていると考えられます。
「Tobit2.jmp」サンプルデータには、次のような特徴があります。
• 応答変数(「耐用期間」)は、製品の耐用期間を示し、0より小さくなることはありません。つまり、0で左側打ち切りになっています。
• 「年齢」と「流動性」は説明変数です。
• データテーブルにはその他に、「モデル」と「Tobit損失関数」という列があります。「モデル」列は残差を表しており、「耐用期間 -(b0+b1*年齢+b2*流動性)」という式が含まれています。
ヒント: また、「Tobit 損失関数」の計算式は、列を右クリックして[計算式]を選択して見てください。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Reliability」フォルダにある「Tobit2.jmp」を開きます。
2. [分析]>[発展的なモデル]>[非線形回帰]を選択します。
3. 「モデル」を[X, 予測式列]に指定します。
4. 「Tobit損失関数」を[損失]に指定します。
5. [OK]をクリックします。
6. [実行]をクリックします。
7. [信頼限界]をクリックします。
Figure 15.23は、信頼限界を持つパラメータ推定値を示しています。
図15.23 「解」レポート