この例では、従業員に4つの質問に答えてもらい、回答に関連性があるかどうかを調べ、従業員がどんなグループに分かれるのかを見てみます。この例では、JMPグループに所属する従業員55人から、次の分野に対する好みや嗜好について尋ねたデータを使用します。
• 好きなテレビ番組(8カテゴリ): news, comedy, police, nature, sport, film, drama, soap operas(ニュース、コメディ、警察もの、自然、スポーツ、映画、ドラマ、メロドラマ)
• 好きな映画(8カテゴリ): action, comedy, costume drama, documentary, horror, musical, romance, SciFi(アクション、コメディ、時代劇、ドキュメンタリー、ホラー、ミュージカル、ロマンス、SF)。
• 好きなアート(7カテゴリ): performance, landscape, renaissance, still life, portrait, modern, impressionism(パフォーマンス・アート、風景画、ルネッサンス芸術、静物画、肖像画、現代美術、印象派)
• 好きな外食(6カテゴリ): Burgers & Fries, pub, Indian, Italian, French, steak house(バーガー&フライドポテト、パブ、インド料理店、イタリア料理店、フランス料理店、ステーキハウス)
メモ: この嗜好に関する調査は、LeRoux and Rouanet(2010)の質問に基づいています。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Employee Taste.jmp」を開きます。
2. [分析]>[多変量]>[多重対応分析]を選択します。
3. 「テレビ」・「映画」・「美術」・「レストラン」を選択し、[Y, 目的変数]をクリックします。
通常の多重対応分析を行うには、主成分分析と同じ様に、変数を指定してください。つまり、分析したい変数を、目的変数と説明変数に分けるのではなく、すべて目的変数に指定して下さい。
4. [OK]をクリックします。
ヒント: 重なり合っているラベルは、クリック&ドラッグすることで、ラベルの位置を調整することができます。
5. プロットの下にある[マーカーサイズを度数に比例させる]を選択します。
マーカーのサイズが、各カテゴリの相対的な度数を示すようになります。
図7.2 初期状態の「多重対応分析」レポートの一部
「対応分析」レポートでは、最初の2つの主軸(最初の2つの次元)に、4つの変数の各カテゴリが射影されています。プロットの下にあるコントロールを使用して、表示する次元を変更できます。点間の距離は、回答者の回答パターンが似ているか否かを表しています。
このプロットを見て、固有知識も活用しながら、結果を解釈していきましょう。
– レストランの好みが「Burgers&Fries」である点の近くに、テレビ番組の好みが「Sport」と「Police」である点があります。このクラスターを、「ポップカルチャー」と呼ぶことにしましょう。
– 第2次元目を見ると、ポップカルチャーのクラスターから離れて、やや「洗練された」趣味の持ち主(映画では「Documentary」、テレビでは「Drama」、レストランでは「French」や「Indian」などの専門的料理を好む人たち)のクラスターがあります。
各回答者に対するスコアを求めるには、回答者のIDを含んでいる列を[X, 説明変数]に追加します。
6. 「変数の要約」アウトラインを開きます。
「変数の要約」パネルを使えば、プラットフォームを起動し直さなくても、分析を変更できます。また、「変数の要約」では、分析に用いた変数が簡潔にまとめられています。
7. 「個体」を選択して、[Xに追加]をクリックすると、分析結果が自動的に更新されます。
図7.3 「多重対応分析」レポートに個体を追加
前述のポップカルチャーの領域の近くとしては、作成されたプロットの左下に、趣味が似ている回答者のクラスターがあるようです。