この例では、「一元配置」プラットフォームを使って一元配置分散分析を行います。一元配置分散分析では、グループ平均の間に統計的に有意な差があるかどうかを検定することができます。33人の被験者が3種類の鎮痛剤(A、B、C)を服用したデータがあり、痛みの程度を数値で評価しています。ここでは、A、B、Cの鎮痛剤において、痛みの程度の平均に有意な差があるかどうかを調べます。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Analgesics.jmp」を開きます。
2. [分析]>[二変量の関係]を選択します。
3. 「痛みの程度」を選択し、[Y, 目的変数]をクリックします。
4. 「薬」を選択し、[X, 説明変数]をクリックします。
5. [OK]をクリックします。
図6.2 一元配置分析の例
A薬の痛みのスコアが、他の薬と比べて全体的に低いことがわかります。なお、X軸の目盛りが等間隔ではありませんが、これは、各薬ごとのデータの個数に目盛りの幅が比例しているためです。
データの分散分析を行います。
6. 赤い三角ボタンをクリックし、[平均/ANOVA]を選択します。
メモ: X変数の水準が2つしかない場合は、[平均/ANOVA]オプションの代わりに[平均/ANOVA/プーリングしたt検定]が表示され、レポートウィンドウにはプーリングしたt検定のレポートも表示されます。
図6.3 [平均/ANOVA]オプションの例
次の点を確認してください。
• プロットに信頼区間を示す平均のひし形が表示されます。
– 各ひし形の中央に引かれている水平線はグループ平均を示します。これを目安にすれば、薬Aの平均が薬BおよびCの平均より低いことが一目でわかります。
– ひし形の縦の長さがグループ平均の95%信頼区間を表します。
平均のひし形と標本サイズに比例したX軸を参照してください。
• 「あてはめの要約」レポートは、分析に関する全体的な要約情報をまとめたものです。
• 「分散分析」レポートには、分散分析(ANOVA; Analysis of Variance)の基本的な情報が表示されます。この例では「Prob>F」(p値)が0.0053です。これは、薬の平均には有意差がありそうだという、グラフからの直観的な判断が正しいことを裏付けています。
• 「各水準の平均」レポートには、カテゴリカルな因子の水準ごとに、平均・標本サイズ・標準誤差が表示されます。