この例では、長期就航した2隻の船舶のエンジンの修理時間のデータを分析します。修理の履歴を確認し、今後どの程度の頻度で修理が必要になるかを予測してみましょう。分析結果から、エンジンの交換時期を判断することができます。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Reliability」フォルダにある「Diesel Ship Engines.jmp」を開きます。
2. 57行目と129行目が「除外されている行」として設定されていることを確認してください。
メモ: 「除外されている行」として設定されていない場合は、57行目と129行目を選択して、[行]>[除外する/除外しない]を選択します。
3. [分析]>[信頼性/生存時間分析]>[再生モデルによる分析]を選択します。
4. 起動ウィンドウに、Figure 6.9のとおりに入力を行います。
図6.9 「Diesel Ship Engines.jmp」の起動ウィンドウ
5. [OK]をクリックします。
図6.10 「Diesel Ship Engines.jmp」のレポート
「イベントプロット」を見ると、Grampus4において、エンジン修理が生じた頻度は、時間を通じて一定だと分かります。一方、Halfbeak4の修理はより散発的で、「19,000」時間前後で修理回数が急増しています。この増加は、「MCFプロット」を見ると、すぐに分かります。
修理回数を予測するモデルを構築するため、パラメトリックなモデルをあてはめてみましょう。
6. 「再生モデルによる分析」の赤い三角ボタンをクリックし、[モデルのあてはめ]を選択します。
7. 「再生性モデルの指定」で、[対数線形非同次Poisson過程]を選択します。
8. 「システムID」列を「尺度効果」と「形状効果」の両方に指定します。
9. [モデルの実行]をクリックします。
図6.11 「Diesel Ship Engines.jmp」にあてはめたモデル
10. 「再生性モデルのあてはめ」の赤い三角ボタンをクリックし、[プロファイル]を選択します。
図6.12 「Diesel Ship Engines.jmp」のプロファイル
将来における修理回数を予測してみましょう。プロファイルにおける「イベント時刻」の数値を変更すれば、将来の累計修理回数がどのように変化するかを確認できます。
• 時間が「30,000」となるまでに必要な修理の回数の予測値を見るには、「イベント時刻」の数値として「30000」と入力します。Grampus4は114回の修理が必要と予測されます。Halfbeak4の修理回数を見るには、点線をクリックして「Grampus4」から「Halfbeak4」にドラッグします。Halfbeak4エンジンの場合、140回の修理が必要です。
• 時間が「80,000」となるまでに必要な修理の回数の予測値を見るには、「イベント時刻」の数値として「80000」と入力します。Halfbeak4エンジンの場合、248,169回の修理が必要です。点線をクリックしてHalfbeak4からGrampus4にドラッグしてください。Grampus4は418回の修理が必要と予測されます。
したがって、将来的には、Halfbeak4の方が、Grampus4よりも、頻繁に修理しなければならないことがわかります。