この例では、「二変量」プラットフォームにて、直交回帰モデルをあてはめます。を用います。切片0で傾き1のモデルと比較することにより、直交回帰モデルは、同じ対象を2つの異なる測定方法で測定した場合にも使えます。そのような場合には、Passing-Bablok回帰も使えます。Passing-Bablok回帰については、「Passing-Bablokのあてはめ」レポートを参照してください。この例では、いくつかの化合物の溶解度を異なる溶剤で測定しました。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Solubility.jmp」を開きます。
2. [分析]>[二変量の関係]を選択します。
3. 「エーテル」を選択し、[Y, 目的変数]をクリックします。
4. 「1-オクタノール」を選択し、[X, 説明変数]をクリックします。
5. [OK]をクリックします。
6. 「二変量の関係」の赤い三角ボタンをクリックし、[直交のあてはめ]>[等分散性]を選択します。
7. 参考のために、「二変量の関係」の赤い三角ボタンをクリックし、[その他のあてはめ...]を選択します。
8. [切片の制約]をオンにして値を0に設定します。
9. [傾きの制約]をオンにして値を1に設定します。
これで、切片が0、傾きが1のY = Xの直線があてはめられます。
10. [OK]をクリックします。
図5.17 直交のあてはめの例
得られたデータの大部分の範囲で、直交回帰の予測値を示す赤い直線が、緑のY = X線を下回っています。なお、直交回帰の表を見ると、傾きの95%信頼区間(下側限界と上側限界の間)には1が含まれていません。2つの直線を見てみると、得られたデータの大部分の範囲において、溶剤がエーテルでの溶解度は、1-オクタノールでの溶解度より低い傾向にあると言えます。