この例では、まず自分自身でモデル式を指定した後に、「非線形回帰」プラットフォームにて、そのモデルをあてはめます。そのために、まず計算式エディタにて、モデルの計算式を含む列を作成します。この方法では、手順が少し複雑になりますが、どのような非線形モデルでもあてはめることができます。また、この方法では、独自の損失関数を定義したり、反復計算に関する詳細なオプションを選択したりすることもできます。
ヒント: 複数の異なるデータテーブルである特定のモデルを頻繁に用いる場合は、毎回そのモデルを定義する代わりに、そのモデルをモデルライブラリに追加できます。非線形モデルライブラリのカスタマイズを参照してください。
分析者が独自に考えた非線形モデルを推定するには、まず、計算式を含んだ列を作成する必要があります。この計算式で、パラメータとその初期値も設定します。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Nonlinear Examples」フォルダにある
「US Population.jmp」を開きます。
2. 新しい列を作成し、その列名を「モデル」とします。
3. 「モデル」列を右クリックして、[列プロパティ]>[計算式]を選択します。
計算式エディタが表示されます。
4. 列のリストの下にあるリストから、[パラメータ]を選択します。
図15.2 [パラメータ]の選択
5. [パラメータの新規作成]を選択します。
6. 「名前」に「B0」と入力します。
7. 「値」に「3.9」を入力します。これがパラメータの初期推定値です。
8. [OK]をクリックします。
9. [パラメータの新規作成]を選択します。
10. 「名前」に「B1」と入力し、「値」に「0.022」を入力します。
11. [OK]をクリックします。
12. 計算式エディタの関数、「年」列、およびパラメータを使用してモデル式を入力します。
図15.3 入力が完了したモデル式
ヒント: 指数(Exp)コマンドを見つけるには、「超越関数」の隣のグレーの三角をクリックします。
13. [OK]をクリックします。
1. [分析]>[発展的なモデル]>[非線形回帰]を選択します。
2. 「モデル」を[X,予測式列]に指定します。
3. 「人口」を[Y, 応答変数]に指定します。
4. [OK]をクリックします。
5. 設定パネルの[実行]ボタンをクリックします。
図15.4 「プロット」と「解」レポート
「解」レポートには、最終的なパラメータ推定値とその他の適合度統計量が表示されます。プロットには、あてはめたモデルが表示されます。
計算式エディタでパラメータを追加するときに、[選択された列をカテゴリに展開する]というチェックボックスを使用できます。このオプションは、カテゴリカル変数の水準ごとのパラメータを一度に作成するものです(複数のパラメータが一度に追加されます)。このオプションを選択すると、列を選択するためのダイアログボックスが開きます。列の選択が完了すると、パラメータのリストに「D_列名」という名前の新しいパラメータが表示されます。「D」の部分は、パラメータの名前です。計算式にこのパラメータを使用すると、グループ変数の水準ごとに個別のパラメータを含んだMatch式が挿入されます。