ここでは、「モデルのあてはめ」プラットフォームの[ステップワイズ法]手法で、階層的な項に対して[制限]ルールを使用する例を紹介します。モデルに名義尺度や順序尺度の項がある場合は、モデルを作成または実行したとき、階層的な項を表す一時的な変換列が作られます。その一時的な変換列を用いたモデルが、新しい「モデルのあてはめ」ウィンドウに表示されます。以下の例では、[ステップワイズ法]において階層的効果を含んだモデルを説明します。
ここでは、ホットドッグの「1オンスあたりのコスト($)」を、「タイプ」(Met、Beef、Poultry)と「サイズ」(Jumbo、Regular、Hors d’oeuvre)で予測する式を作成します。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Hot Dogs2.jmp」を開きます。
2. [分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。
3. 「1オンスあたりのコスト($)」を選択し、[Y]をクリックします。
4. 「タイプ」と「サイズ」を選択し、[追加]をクリックします。
5. 「手法」として[ステップワイズ法]を選択します。
6. [実行]をクリックします。
7. [停止ルール]で[閾値p値]を選択します。
8. [ルール]で[制限]を選択します。
図5.18 [閾値p値]と[制限]ルールが選択された「ステップワイズ回帰の設定」パネル
デフォルトの[組み合わせ]ルールから[制限]に変更すると、2つの項の「F値」と「p値(Prob>F)」の値が欠測値として表示されることに注意してください。これらの項は「タイプ{Poultry-Meat}」と「サイズ{Regular-Jumbo}」です。これらが欠測値になっているのは、これらの2つの項は、上位の項が追加されていなければ追加されないからです。
9. [ステップ]をクリックします。
項「タイプ{Poultry&Meat-Beef}」がモデルに追加されます。この項の「p値(Prob>F)」は最小で、「変数を追加するときのp値」の閾値である0.25より小さい値です。
図5.19 項が1つ追加された「ステップワイズ回帰の設定」パネル
項「タイプ{Poultry-Meat}」の「F値」と「p値(Prob>F)」が表示されます。上位の項がモデルに追加されたため、これで「タイプ{Poultry-Meat}」は追加可能となります。
10. [ステップ]をクリックします。
残りの項の中で「タイプ{Poultry-Meat}」の「p値(Prob>F)」が最小で、「変数を追加するときのp値」の閾値より小さい値であるため、次にこの項がモデルに追加されます。
11. [ステップ]をクリックします。
項「サイズ{Hors d'oeuvre-Regular&Jumbo}」の「p値(Prob>F)」が0.1577であるため、これがモデルに追加されます。上位の項がモデルに追加されたため、これで項「サイズ{Regular-Jumbo}」は追加可能となり、この項の「p値(Prob>F)」が表示されます。
しかし、項「サイズ{Regular-Jumbo}」の「p値(Prob>F)」は0.7566で、「変数を追加するときのp値」の閾値である0.25より大きい値です。そのため、[ステップ]をクリックしても、この項はモデルに追加されません。
図5.20 最終的なモデルの「現在の推定値」表
ヒント: ステップワイズの処理全体を自動的に実行する場合は、[実行]ボタンを使用します。この動作を確認するには、[すべて削除]をクリックしてから、[実行]をクリックしてください。
12. [モデルの作成]をクリックします。
[モデルの作成]をクリックすると、「モデルのあてはめ」起動ウィンドウが表示されます。ここには、ステップワイズで選択された3つのモデル効果だけが含まれています。起動ウィンドウでは、モデルに含められた3つの階層効果を定義する一時的な変換列がモデルに含まれています。