この例では、予測プロファイルからシミュレータを起動します。そして、「数列の作成」にあるオプションを使って、入力値の平均が変化したとき(「位置母数の等差数列」)や、ばらつきが変化したとき(「尺度母数の等差数列」)に、応答変数の分布がどのように変化するかを確認してみます。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Tiretread.jmp」を開きます。
2. [グラフ]>[プロファイル]を選択します。
3. 「予測式 摩擦」と「予測式 引張応力」を選択し、[Y, 予測式]をクリックします。
4. [OK]をクリックします。
5. 「予測プロファイル」の赤い三角ボタンをクリックし、[シミュレータ]を選択します。
6. 各因子の下で[ランダム]を選択します。
メモ: [ランダム]を選択したときのデフォルトの確率分布は正規分布です。
7. 「繰り返し数」の値を1000に変更します。
8. 「シミュレーションのデータテーブル」を開き、「数列の作成」を開きます。
図8.2 シミュレータの設定
ここでは、因子(入力変数)の位置(つまり平均)が変化したときに、応答がどのように変化するかを調べていきましょう。因子の位置を変更したときの影響を調べるには、[位置母数の等差数列]を使用します。一方、因子のばらつきを変更したときの影響を調べるには、[尺度母数の等差数列]を使用します。
9. 「シリカ」の「数列」として[位置母数の等差数列]を選択します。「ステップ数」は5のままにしておきます。「最小値」を1に設定し、「最大値」を2に設定します。
10. 「シラン」の「数列」として[位置母数の等差数列]を選択します。「ステップ数」は5のままにしておきます。「最小値」を40に設定し、「最大値」を60に設定します。
11. 「硫黄」の「数列」として[位置母数の等差数列]を選択します。「ステップ数」は5のままにしておきます。「最小値」を2に設定し、「最小値」を3に設定します。
図8.3 「数列の作成」の設定
12. [テーブルの作成]をクリックします。
「シリカ 平均」・「シラン 平均」・「硫黄 平均」の各列はそれぞれの範囲において5水準になっています。例えば、「シリカ 平均」の値は、1, 1.25, 1.5, 1.75, 2です。「シリカ」・「シラン」・「硫黄」の各列における値は、5つのうちのいずれかの平均と一定の標準偏差をもつ正規分布からの乱数になっています。[予測式 摩擦]および「予測式 引張応力」の値は、そのような乱数になっているために、因子の平均を変化させたときに応答変数の分布がどのように変化するのかを把握できます。
13. [分析]>[一変量の分布]を選択します。
14. 「シリカ 平均」と「予測式 摩擦」を選択し、[Y, 列]をクリックします。
15. [OK]をクリックします。
図8.4 「シリカ 平均」と「予測式 摩擦」の分布
「シリカ 平均」でいずれかのヒストグラムの棒をクリックすると、シリカをその選択した平均に変更した場合、かつ、シランと硫黄が平均が変化している正規分布に従っている場合、摩耗の予測値がどのように変化するかを把握できます。