「再生モデルによる分析」プラットフォームを起動するには、[分析]>[信頼性/生存時間分析]>[再生モデルによる分析]を選択します。
図6.4 「再生モデルによる分析」の起動ウィンドウ
「列の選択」の赤い三角ボタンのメニューのオプションについては、『JMPの使用法』の列フィルタメニューを参照してください。
Y, 経過時間, イベント発生時刻
イベントが発生したときのユニットの年齢(開始時刻からの経過時間)、または、イベントが発生した時刻を指定します。Y列に指定したものがイベント発生時刻の場合、経過時間を算出できるように、記録開始時刻と記録終了時刻も指定する必要があります。
ラベル, システムID
各イベントと打ち切り年齢がどのユニットのものかを示す列です。
コスト
次のいずれかの値を含んだ列を指定します。
– 故障・修理・交換・修正などのイベントが発生したことを示す「1」。この場合、MCF(Mean Cumulative Function; 平均累計関数)は、ユニットあたりの平均累計度数になります。
– イベントのコスト(修理・交換・修正などにかかった費用)。コストを指定した場合、MCFは1ユニットあたりの平均累計コストになり、イベントプロットのマーカーのサイズはコストの値によって決まります。
– 稼働やサービスが終了した、または調査対象から外されたことを示す「0」。どのユニット(システムID)にも0を含んだ行が必ず1つ必要で、その行の[Y, 経過時間, イベント発生時刻]列には最後に観測された年齢が含まれていなければなりません。データにおいてユニットの最終観測年齢(「コスト」列のセルが0のもの)が存在しない場合、エラーメッセージが表示されます。
メモ: 「再生モデルによる分析」のコストを示す指示変数は、「寿命の一変量」や「生存時間分析」で使用される打ち切りの指示変数の反対と考えることができます。コスト変数の場合、1は修理などのイベントを示し、0はユニットの使用が終了したことを示します。打ち切り変数の場合は、通常、1が打ち切りのある値を示し、0は打ち切りのない値、つまりユニットのイベント(故障)を示します。
グループ変数
グループ別にMCF(平均累計関数)の推定値を計算させるときに指定する列です。
原因
いくつかの故障原因を含んだ列を指定します。
記録開始時刻
開始時刻を含む列を指定します。最初の行が、記録開始時点の場合は、[最初のイベントが記録開始時刻]チェックボックスをオンにします。その場合には、内部計算において、開始時刻からの経過時間(=年齢)は、「Y」からこの列の値を引いて求められます。
記録終了時刻
サービスの終了時刻を含む列を指定します。終了時刻の列がデータにある場合は、その列をここに指定します。終了時刻が全ユニットで共通の場合は、「デフォルトの記録終了時刻」で指定することもできます。コスト列が0のデータ行がある場合は、そのデータ行が終了時刻として使用されるため、この役割を用いる必要はありません。
時間の単位
モデル化に使用する時間の単位を指定します。たとえば、データが秒単位で記録されている場合、用いる時間単位を秒に変更できます。
再生性のあるイベント(reccurrent event)の分析では、分析対象のユニットが古くなるにつれて生じる修理回数や修理コストに主眼が置かれます。「再生モデルによる分析」プラットフォームで扱うデータは、観測されたイベントごとに1行ずつとなっており、また、それに加えて最後に観測されたユニットの年齢を示す最終行が必要です。ユニットやシステムの個数はいくつでもかまいません。また、1ユニットあたりに生じたイベントの回数にも制限はありません。