「一元配置」プラットフォームの[検出力]オプションを選択すると、特定の仮説検定に対して、検出力に関連した結果が表示されます。[検出力]オプションの例を参照してください。詳細については、検出力の統計的詳細を参照してください。
• 最小有意値(LSV: Least Significant Value)は、現在得られているデータにおいて、p値が特定の値(たとえば0.05)になるようなパラメータ(もしくはパラメータ関数)の値です。つまり、現在のデータにおいて、ある値(たとえば0.05)以下にp値がなって有意と判断される最小の効果の大きさを表します。最小有意値(LSV)は、確率のスケールではなく、パラメータのスケール上で有意度を測定していると言うことができます。その値によって、計画とデータがどのぐらい敏感かがわかります。
• 最小有意数(LSN: Least Significant Number)は、現在得られているデータにおいて、p値が特定の値(たとえば0.05)になるような標本サイズです。つまり、α(アルファ; 有意水準)、σ(シグマ; 誤差の標準偏差)、δ(デルタ; 効果の大きさ、効果量)が与えられているときに、結果が有意となるほど推定値の分散が減少するために必要な標本サイズが、最小有意数(LSN)です。最小有意数(LSN)は、有意性を得るためにはどれぐらいの多くのデータが必要かを考える参考になります。最小有意数(LSN)の値だけの標本サイズがあるとき、検出力は約50%になります。
• 検出力とは、グループ間に実際に差がある場合に、検定が有意となる確率(p値 < αとなる確率)を指します。検出力は、標本サイズ、効果の大きさ(効果量)、誤差の標準偏差、および有意水準の関数です。検出力からは、その実験で、与えられた有意水準において差(効果の大きさ)をどれだけ的確に検出できるかがわかります。
メモ: 一元配置でグループが2群しかないときは、「検出力の詳細」で計算された最小有意値(LSV)はStudentのt検定における最小有意差(LSD)と等しくなります。
「一元配置」プラットフォームの「検出力の詳細」表は、「モデルのあてはめ」プラットフォームのものと同じです。検出力の計算については、『基本的な回帰モデル』の検出力の計算を参照してください。
「α」(アルファ; 有意水準)、「σ」(シグマ; 誤差の標準偏差)、「δ」(デルタ; 効果の大きさ、効果量)、「数」(標本サイズ)の各列には値を1~2つ入力するか、連続した値の範囲として開始値、終了値、および間隔を入力します(Figure 6.29)。入力した値のすべての組み合わせに対して、検出力が計算されます。
アルファ(a)
0~1の値を取る有意水準(通常は0.05、0.01、0.10のどれかを使用します)。デフォルトでは0.05に設定されています。
s
誤差の標準偏差。デフォルトとして、データから求められた誤差平均平方の平方根であるRMSEが設定されています。
d
標準化していない効果の大きさ(effect size; 効果量)。効果の大きさを計算する方法については、『基本的な回帰モデル』の効果の大きさを参照してください。最初のフィールドには仮説の平方和をnで割ったものの平方根、つまりが設定されています。
数(n)
すべてのグループの標本サイズの合計。デフォルトでは、最初のフィールドに現在の標本サイズが設定されています。
検出力を求める
「a」、「s」、「d」、および「数」の関数として、検出力(有意な結果が出る確率)が計算されます。
最小有意数を求める
指定された「a」、「s」、「d」で、おおよそ50%の検出力を得るために必要な標本サイズ。
最小有意値を求める
p値がa以下となるパラメータまたは線形検定の値。これは「a」、「s」、標本サイズ(「数」)、および推定値の標準誤差の関数です。この機能は、X変数の水準数が2つの場合にだけ使用でき、通常は個々のパラメータに適用します。
調整済み検出力と信頼区間
事後的に検出力を調べるときは、誤差標準偏差とパラメータに対して推定値を使用します
– 誤差標準偏差とパラメータに推定値を単純に代入してF分布の非心度パラメータを計算するとバイアス(偏り)が生じます。それを調整するために、非心度パラメータに対してよりバイアス(偏り)が小さい推定値を使って計算したものが、調整済み検出力です。
– また、調整済み検出力の信頼区間は、非心度推定値の信頼区間に基づいています。
調整済み検出力と信頼限界が計算されるのは、元の「δ」の推定値に対してだけで、δにその他の値を指定して計算することはできません(調整済み検出力は、δの推定値における確率的なばらつきを調整したものだからです)。