「応答のスクリーニング」レポートウィンドウに表示されるデフォルトのプロットは、起動ウィンドウでの指定によって異なります。これらは、FDR調整したp値にフォーカスしたものです。「応答のスクリーニング」プラットフォームの統計的詳細を参照してください。以下、表示可能なすべてのプロットと、どのような場合にそれらを使用できるかについて説明します。
FDR P値 プロット
縦軸にFDR p値と標準のp、横軸に分数順位をプロットします。このプロットは、偽発見率を調整した場合と調整しない場合の有意な検定の数を示すことで、どのくらいの調整がなされているかがわかるものです。「分数順位」は、p値を有意差の大きい順で順位付けしています。「FDR P値」は青、「p値」は赤でプロットされます。青い水平線は、5%の有意水準を示しています赤い右上がりの直線は、多重性の調整を行っていないp値がFDR法で有意となる閾値を示します。FDR調整p値が青い線を下回る場合、未調整のp値は赤い線を下回ります。このため、調整前と調整後のいずれのp値を見ても、FDR法で有意となっている検定を読み取ることができます。プロットの横には、凡例と、検定の度数および0.05と0.01の両方の有意水準で有意な検定の割合を示す表もあります。
FDR 対数価値 By 効果の大きさ
縦軸にFDR対数価値、横軸に効果の大きさをプロットします。このプロットは、大きな効果を持つ、非常に小さなp値を視覚化するのに便利です。‐log10(p値)というスケールに変換すると、とても小さいp値も見やすくなります。これを対数価値(LogWorth)と呼んでいます。p値が小さい場合には対数価値は大きくなり、p値が大きい場合には対数価値は小さくなります。対数価値がゼロの場合、p値は1です。対数価値が2以上の場合、p値は0.01以下です。わかりやすいように、プロットには「対数価値=2」の参照線が引かれています。
一般に、効果の大きさが大きいほど、p値が小さくなり、対数価値が大きくなります。しかし、p値の小ささは誤差分散にも依存するため、必ずしもそのような関係になるわけではありません。実際、誤差分散によっては、効果の大きさが大きくても対数価値が小さくなるときもあれば、逆に、効果の大きさが小さくても対数価値が大きくなることもあります。「FDR 対数価値 By 効果の大きさ」プロットでは、そのような関係を検討できます。
FDR 対数価値 By R2乗
(Y変数が連続尺度の場合にのみ使用可能。)縦軸にFDR対数価値、横軸にR2乗をプロットします。R2乗値が大きいほど、対数価値は大きくなります。ただし、対数価値の大きさは、標本サイズにも依存します。
FDR 対数価値 By カッパ
(起動ウィンドウで[カッパ]オプションを選択し、かつ同じ水準数のカテゴリカルなX列とY列がある場合にのみ使用可能。)縦軸にFDR対数価値、横軸にカッパをプロットします。
FDR 対数価値 By 相関
(起動ウィンドウで[相関]オプションを選択し、かつカテゴリカルなX列とY列がある場合にのみ使用可能。)縦軸にFDR対数価値、横軸に相関をプロットします。
対数価値 By 差
(デフォルトでは、少なくとも1つの連続尺度の応答変数と少なくとも1つのカテゴリカルなX変数があり、かつ起動ウィンドウで[Y変数は共通のスケール]オプションを選択した場合にのみ使用可能。)縦軸に対数価値、横軸に平均の差をプロットします。平均の差は、各水準とコントロール群の差から計算されます。デフォルトのコントロール群は最初の水準です。X変数が1つしかなく、それが3水準以上を持つ場合は、プロットに表示する水準を選択するためのチェックボックスが表示されます。
点が有意でない場合(FDR p値 ≥ 0.01)、その点はグレーで表示されます。点が有意な場合(FDR p値 < 0.01)、その点は、平均の差が正であれば赤、平均の差が負であれば青で表示されます。
メモ: このプロットは、ボルケーノプロットとも呼ばれます。
対数価値 By 傾き
(デフォルトでは、少なくとも1つの連続尺度の応答変数と少なくとも1つの連続尺度のX変数があり、かつ起動ウィンドウで[Y変数は共通のスケール]と[X変数は共通のスケール]の両方のオプションを選択した場合にのみ使用可能。)縦軸にFDR対数価値の差、横軸に傾きをプロットします。この傾きは、各応答変数と各連続尺度のX変数の単回帰から計算されます。
有意性を示す参照線も表示されます。この参照線はFDR対数価値が2の場所にあり、0.01のFDR p値に対応しています。対数価値が2以上の場合、p値は0.01以下です。点が有意でない場合(FDR p値 ≥ 0.01)、その点はグレーで表示されます。点が有意な場合(FDR p値 < 0.01)、その点は、傾きが正であれば赤、傾きが負であれば青で表示されます。
メモ: このプロットは、ボルケーノプロットとも呼ばれます。
実質的な差
縦軸に、差のFDR対数価値と同等性のFDR対数価値のうち最大のものをプロットします。横軸は、「実質的な差と同等性」ダイアログでの指定によって異なります。割合が指定された場合、横軸は差を検出したい差で割った値になります。検出したい差の値が指定された場合、横軸はその差になります。
ロバスト FDR P値 プロット
(起動ウィンドウで[ロバスト]オプションを選択した場合にのみ使用可能。)縦軸にロバストFDR p値と標準のp、横軸にロバスト分数順位をプロットします。これはFDR P値プロットに似ていますが、標準値の代わりにロバストな値が使用されます。
ロバスト FDR 対数価値 By FDR 対数価値
(起動ウィンドウで[ロバスト]オプションを選択した場合にのみ使用可能。)縦軸にロバストFDR対数価値、横軸にFDR対数価値をプロットします。
ロバスト FDR 対数価値 By 効果の大きさ
(起動ウィンドウで[ロバスト]オプションを選択した場合にのみ使用可能。)縦軸にロバストFDR対数価値、横軸に効果の大きさをプロットします。これは、「FDR 対数価値 By 効果の大きさ」プロットに似ていますが、標準のFDR対数価値の代わりにロバストFDR対数価値が使用されます。
Cauchy FDR P値 プロット
(起動ウィンドウで[Cauchy]オプションを選択した場合にのみ使用可能。)縦軸にCauchy FDR p値と標準のp、横軸にCauchy分数順位をプロットします。これはFDR P値プロットに似ていますが、標準値の代わりにCauchy値が使用されます。
Cauchy FDR 対数価値 By FDR 対数価値
(起動ウィンドウで[Cauchy]オプションを選択した場合にのみ使用可能。)縦軸にCauchy FDR対数価値、横軸にFDR対数価値をプロットします。
Cauchy FDR 対数価値 By 効果の大きさ
(起動ウィンドウで[Cauchy]オプションを選択した場合にのみ使用可能。)縦軸にCauchy FDR対数価値、横軸に効果の大きさをプロットします。これは、「FDR 対数価値 By 効果の大きさ」プロットに似ていますが、標準のFDR対数価値の代わりにCauchy FDR対数価値が使用されます。