数学的に見ると、「2水準スクリーニングのあてはめ」プラットフォームは、応答ベクトルのn個の値を回転によってn個の新しい値に変換しています。回転後の値は、主効果や交互作用などのモデル空間に写像されます。
対比 = T′ × 応答
上の式で、Tは正規直交行列で、切片から始まり、因子の主効果、2因子間交互作用、3因子間交互作用・・・と続き、交換後の値がn個になるまで続きます。Tの最初の列は切片です。その他の列は切片に直交することから、切片を除く列はすべて、和がゼロになっています。和がゼロになっていることから、これらの列は対比(contrast)になっています。Tは正規直交行列なので、上式を変形すると、Tは線形モデルにおけるXに似た役割をもつようになります。計算するのに逆行列の計算は必要ありません。なぜなら、T′はT-1や(T′T)T′と等価だからです。TをXとみなすと、各対比に対する推定値は線形モデルのパラメータ推定値になっています。
応答に影響を与えるモデル効果が切片以外に存在しない場合、対比に対する推定値は、独立な確率変数を、別の独立な確率変数に直交回転させたものに過ぎません。確率変数を直交回転した確率変数は、元の確率変数と分散が同じです。影響をもつ効果がいくつかある場合でも、影響をもたない効果は誤差のように振る舞います。効果の影響が十分に大きく、実験が適していれば、影響がもつ効果をそれらの誤差から区別することができると期待できます。