最初に表示される「非線形回帰のあてはめ」レポートには、設定パネルとプロットが含まれています(Figure 15.6)。
設定パネル
反復計算の処理を制御します。
実行
反復計算を開始します。
停止
反復計算を途中で停止します。
ステップ
反復計算を1ステップだけ進めます。
リセット
反復計算の値がリセットされます。フィールドに入力したパラメータ値がモデル式に代入され、それに対するSSEが再計算されます。
基準
反復計算が収束したとみなす基準です。
現在
この列には、各基準の現在の値が表示されています。
停止限界
「基準」にリストされる指標が、この値以下になると反復計算を終了します。
プロット
X変数が1つしかない場合、X変数とY変数のプロットが作成されます。このプロットには、現在のパラメータ値に基づくモデルが表示されます。現在のパラメータ値を変更するには、スライダを使用するか、またはプロットの下にあるボックスを編集します。
図15.6 最初の「非線形回帰のあてはめ」レポート
[実行]をクリックしてモデルをあてはめると、レポートに次の項目が追加されます(Figure 15.7)。
推定値の保存
現在のパラメータ値を、データテーブル列の計算式に含まれているパラメータに保存します。
信頼限界
すべてのパラメータの信頼区間を計算します。これらの区間はプロファイル尤度信頼区間であり、「解」レポートに表示されます。信頼区間の計算では、各パラメータの信頼限界ごとに反復計算が行われます。この反復計算においては、信頼区間がうまく見つからないことがよくあります。[αの編集]と[収束基準]オプションは、信頼区間の計算に関するオプションです。信頼区間の計算に使われる目標SSEの詳細については、プロファイル尤度信頼限界の統計的詳細を参照してください。
解
パラメータ推定値とその他の統計量が表示されます。
SSE
残差平方和(誤差平方和; Sum of Squared Errors)が表示されます。非線形回帰では、SSEを最小にするようなパラメータを求めることが目的です。損失関数を指定した場合、SSEは損失関数の合計となります。
DFE
誤差の自由度(Degrees of Freedom for Error)で、観測数(オブザベーション数)から、あてはめたパラメータの個数を引いたものです。
MSE
誤差の平均平方(Mean Squared Error)が表示されます。残差誤差の分散の推定値で、SSEをDFEで割って求めます。
RMSE
残差誤差の標準偏差の推定値で、MSEの平方根(Root of MSE)です。
R2乗
(モデルに切片があり、残差の合計がゼロに近い場合のみ出力。)R2乗値を表示します。
パラメータ
あてはめた計算式内にあるパラメータ名がリストされます。
推定値
計算されたパラメータ推定値がリストされます。非線形回帰では、処理が無事に完了した場合でも推定が完璧でない可能性があるので注意してください。
近似標準誤差
線形回帰で行われる方法に似たような枠組みで計算されます。微分したものの交差積和行列の逆行列における対角要素の平方根に、RMSEを掛けたものとして算出されます。
メモ: オブザベーションの数があてはめられたモデル内のパラメータ数以下の場合、「近似標準誤差」は出力されません。
下側信頼限界と上側信頼限界
パラメータの信頼限界が表示されます。設定パネルで[信頼限界]をクリックすると表示されます。信頼区間の詳細については、プロファイル尤度信頼限界の統計的詳細を参照してください。
除外データ
除外された行の適合度統計量のレポートが表示されます。これは、モデルのあてはめに使用しなかったデータ行に関してモデルを検証する場合に便利です。この機能と[解を記録]オプションを併用すれば、除外するデータを変更し、その相違を反映させたレポートを作成することができます。
推定値の相関
パラメータ推定値間の相関を示します。
推定値の共分散
パラメータ推定値間の共分散を表示します。
図15.7 あてはめたモデルのレポート