ニューラルモデルレポートには、学習セットと検証セット(Figure 3.8)の適合度指標の表があります。各表には、それぞれ以下の適合度指標が含まれています。
一般化R2乗
この指標は、一般的な回帰モデルに適用できるものです。一般化R2乗は、尤度Lから算出され、最大が1となるように尺度化されています。完全にモデルがデータにあてはまっている場合は1、切片だけのモデルと同等なあてはまりの場合には0になります。一般化R2乗は、通常のR2乗(正規分布に従う連続尺度の応答変数に対する標準最小2乗法のR2乗)を一般化したものです。この一般化R2乗は、「NagelkerkeのR2」、または「Craig and UhlerのR2」とも呼ばれており、Cox and Snellの疑似R2を最大が1になるように尺度化したものです。Nagelkerke(1991)を参照してください。
エントロピーR2乗
(応答が名義尺度または順序尺度の場合にのみ表示されます。)適合度の指標で、現在のモデルと切片だけのモデル(データ全体で確率が一定のモデル)の対数尤度を比較したものです。エントロピーR2乗の範囲は0~1で、値が1に近いほど、あてはまりが良いことを意味します。エントロピーR2乗を参照してください。
R2乗
通常の決定係数です。
RASE
平均平方誤差の平方根(Root Average Square Error)です。応答が名義尺度や順序尺度の場合は、誤差は(1-p)で計算されます。ここで、pは、実際に生じた応答水準に対する予測確率です。
平均 絶対偏差
誤差の絶対値の平均。応答が名義尺度や順序尺度の場合は、誤差は(1-p)で計算されます。ここで、pは、実際に生じた応答水準に対する予測確率です。
誤分類率
予測確率が最も大きい応答の水準が、観測された水準と一致しない割合。応答が名義尺度または順序尺度の場合のみ表示されます。
(-1)*対数尤度
対数尤度の符号を逆にしたもの。『基本的な回帰モデル』の尤度・AICc・BICを参照してください。
SSE
誤差平方和(Sum of Squared Errors)。応答が連続尺度の場合のみ表示されます。
度数合計
各セットの標本サイズ。「ニューラル」起動ウィンドウで[度数]変数を指定した場合は、度数列の合計が「度数合計」になります。
応答が複数ある場合、応答ごとに適合度統計量が計算されます。その他に、「一般化R2乗」および「(-1)*対数尤度」は全体に対しても計算されます。
「ニューラル」プラットフォームで名義尺度または順序尺度の応答があてはめられると、混同行列と混同率が表示されます(Figure 3.8)。混同行列は、応答水準の実測値と予測値を2元度数表にまとめたものです。名義尺度や順序尺度の応答においては、予測確率の最も高いカテゴリが予測値となります。混同率は、混同行列の度数を行合計で割ったものです。