JMPの仮想結合オプションを使うと、メインデータテーブルと1つまたは複数の補助データテーブルをリンクできます。この機能を使用すると、物理的にテーブルを結合しなくても、メインデータテーブルが補助データテーブルのデータにアクセスできるようになります。テーブルの仮想結合は、テーブル間で同じデータを複製する必要がないため、メモリの節約になります。また、リンクされているデータの更新もよりシンプルです。リンクされているデータはそれぞれのソーステーブルで別々に更新でき、参照先テーブルのデータが更新されても、その都度参照元のデータテーブルを更新する必要はありません。
この仮想結合は、「リンクID」列プロパティと「リンク参照」列プロパティによって可能になります。
• 「リンクID」列プロパティにより、補助データテーブル内の列がID列となります。これにより、データテーブル内の行がID列の値によって一意に識別されるようになります。「リンクID」列プロパティがあるデータテーブルは参照先のデータテーブルと呼ばれます。
• [リンク参照]列プロパティは、メインデータテーブルの列を参照先データテーブルのリンクID列にリンクします。この列プロパティにより、参照先データテーブルのパス名が指定されます。リンク参照を含む列は参照元の列と呼ばれます。参照元の列はリンクID列を通じて補助データテーブルのデータを参照します。
Figure 6.33は仮想結合されたデータテーブルの例を示しています。「Pizza Profiles.jmp」は、「ID」列に「リンクID」列プロパティが含まれているため、参照先のデータテーブルです。「ID」列には、参照元のデータテーブルである「Pizza Responses.jmp」のデータに対応する一意の値が含まれています。
図6.33 仮想結合したデータテーブル
メモ: 列に「リンク参照」列プロパティが割り当てられていても、常に参照先データテーブルの列にリンクされているわけではありません。「列」リスト内で、列の隣にグレーの仮想結合アイコン()が表示されることがあります。これは、参照先データテーブルが開いていない場合、または参照している列が除外されている場合に起こります。その他の仮想結合アイコンの詳細については、仮想結合アイコンを参照してください。
リンクの列プロパティが設定されていれば、参照先のデータテーブルのすべての列がメインデータテーブルの一部として使えるようになります。そのため、メインデータテーブルに参照元の列がある場合は、起動ウィンドウの「列の選択」リストに参照先のデータテーブルの列が自動的に表示されます。