このバージョンのヘルプはこれ以降更新されません。最新のヘルプは https://www.jmp.com/support/help/ja/15.2   からご覧いただけます。


3.
尤度比検定のp値をシミュレートして、線形予測子によって異なる確率の差の検出力を調べます。第 “検出力の考察”を参照してください。
ここで、π(X)は、X = (X1X2, ..., X6)という因子設定のもと、部品が合格する確率を表します。
線形予測子L(X)は、次の式で表されます。
線形予測子の切片は0なので、全因子が0に設定されている場合、部品が合格する確率は50%に等しくなります。i番目の因子における各水準に関連する確率は、その他の因子がすべて0である場合、次のようになります。
Xi = 1の場合の合格率
Xi = -1の場合の合格率
X1
X2
X3
X4
X5
X6
たとえば、X1以外の全因子が0に設定されている場、検出したい差は46.2%になります。検出したい差が最小になるのは、X6以外の全因子が0に設定された場合で、その差は24.5%です。
メモ: この節の手順を省略するには、 [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Design Experiment」フォルダの「Binomial Experiment.jmp」を開きます。「DOE シミュレート」 スクリプトの横にある緑色の三角形をクリックし、第 “[応答をシミュレート]の設定”に進んでください。
2.
「因子」アウトラインで、「N個の因子を追加」の横のボックスに「6」と入力します。
4.
[続行]をクリックします。
5.
「実験の回数」の「ユーザ定義」テキストボックスに「60」と入力します。
6.
メモ: 乱数シード値(第 7 步)と開始点の数(第 8 步)を設定すると、以下の数値例と同じ実験設定が得られます。同じ実験設定でなくても良い場合は、これらの手順は不要です。
7.
(オプション)「カスタム計画」の赤い三角ボタンをクリックして、[乱数シード値の設定]を選択します。「12345」と入力して[OK]をクリックします。
8.
(オプション)「カスタム計画」の赤い三角ボタンをクリックして、[開始点の数]を選択します。「1」と入力して[OK]をクリックします。
9.
[計画の作成]をクリックします。
10.
[テーブルの作成]をクリックします。
メモ: 乱数を用いているため、「Y」および「Yのシミュレーション」の値は、計画テーブル(一部)とは異なったものになります。
図10.17 計画テーブル(一部)
図10.18 「応答をシミュレート」ウィンドウ
「Y」列:「応答をシミュレート」ウィンドウの設定に従ってシミュレートされたデータ値。
「Yのシミュレーション」列:計算式が含まれており、その計算結果が表示されている。「応答をシミュレート」ウインドウでモデルを設定すると、そのモデルに従った乱数が生成されます。計算式を表示するには、「列」パネルで列名の右側にある+記号をクリックしてください。
メモ: この節の手順を省略するには、「二項分布のシミュレート」スクリプトの横にある緑の三角ボタンをクリックします。この操作が済んだら、第 “一般化線形モデルのあてはめ”に進んでください。
「X1」は、デフォルト値の「1」を そのまま使います。
「X2」に「0.9」と入力します。
「X3」に「0.8」と入力します。
「X4」に「0.7」と入力します。
「X5」に「0.6」と入力します。
「X6」に「0.5」と入力します。
2.
「分布」アウトラインから[二項]を選択します。
「N」の値は「1」のままにしておきます。これは、それぞれの試行回数が1回だけであることを示します。
図10.19 設定後の「応答をシミュレート」ウィンドウ
3.
[適用]をクリックします。
データテーブルの「Yのシミュレーション」列が、二項分布に従う乱数を生成する計算式に置き換えられます。「Y試行回数」の列には、各実験における試行回数が示されます。
4.
(オプション)「列」パネルで、「Yのシミュレーション」の右側にあ る+記号をクリックします。
図10.20 「Yのシミュレーション」に挿入される、二項分布に従う乱数の計算式
5.
[キャンセル]をクリックします。
1.
データテーブルの「モデル」スクリプトの横の緑の三角ボタンをクリックします。
2.
[Y]ボタンの横の変数「Y」をクリックし、[削除]ボタンをクリックします。
3.
「Yのシミュレーション」をクリックし、[Y]ボタンをクリックします。
応答変数Yとして、二項分布に従う乱数の列が設定されます。
4.
「手法」のメニューから[一般化線形モデル]を選択します。
5.
[分布]メニューから[二項]を選択します。
6.
[実行]をクリックします。
第 “この例での計画”では、線形予測子および係数と、係数によって決められる確率を示しました。ここでは、それらの係数に対する検出力を求めます。
1.
「効果の検定」アウトラインで、「p値(Prob>ChiSq)」列を右クリックして[シミュレーション]を選択します。
図10.21 「シミュレーション」ウィンドウ
「切り替え元の列」の「Yのシミュレーション」は、モデルの推定に使用されたデータ値を含んでいます。「切り替え先の列」でも「Yのシミュレーション」を選択すると、切り替え元の「Yのシミュレーション」データ値を、「Yのシミュレーション」の計算式で指定されている乱数に置き換えて、シミュレーションが実行されます。
レポートで選択した「p値(Prob>ChiSq)」列は、「係数がゼロである」という帰無仮説に対する尤度比検定のp値です。「効果の検定」表にある、各効果に対するこの「p値(Prob>ChiSq)」をシミュレートしましょう。
2.
「標本数」「500」と入力します。
3.
(オプション)「乱数シード値」「123」と入力し、テキストボックスの外をクリックします。
4.
[OK]をクリックします。
図10.22 「シミュレーション結果」テーブル(一部)
テーブルの最初の行は、観測されたデータから得られた「p値(Prob>ChiSq)」であり、除外の状態になっています。2行目以降の500行は、シミュレーションしたデータから計算された結果です。
5.
「検出力の分析」スクリプトを実行します。
図10.23 一変量の分布(最初の3つの効果)
6.
「一変量の分布」の赤い三角ボタンをクリックし、[積み重ねて表示]を選択します。
7.
Ctrlキーを押しながら、「X1」の赤い三角ボタンをクリックし、[外れ値の箱ひげ図]の選択を解除します。
8.
Ctrlキーを押しながら「X1」の赤い三角ボタンをクリックし、[ヒストグラムオプション]を選択し、[ヒストグラム]の選択を解除します。
図10.24 検出力(最初の3つの効果)
「検出力のシミュレーション」アウトラインの「棄却された割合」は、シミュレーションのうち、p値がαより小さくなったものの割合を示します。たとえば、係数が0.8、確率の差が38%である「X3」で、棄却された割合を見てみると、有意水準0.05の検定で379/500 = 0.758となっています。検出力のシミュレーション(有意水準0.05)シミュレーションで計算された、有意水準0.05の検定に対する検出力を、効果ごとに示したものです。「検出したい差」が小さくなるにつれ、検出力も小さくなっています。たとえば、「検出したい差」が24.5%(X6)における検出力は、約0.37にとどまっています。
Xi = 1の場合の
合格率
Xi = -1の場合の
合格率
シミュレーションで得られた検出力(α=0.05で棄却された割合)
X1
X2
X3
X4
X5
X6