最初のレポートはモデルの適合度についてで、続いて応答の平均に対する結果です。適合度統計量の計算方法は (376ページ)に示されています。「パラメータ推定値」と「固定効果の検定」は、標準最小2乗法でのレポートに似ていますが、この手法では制限最尤法(REML)によって推定されています。
図10.4 平均モデルの結果
図10.5 分散モデルの結果
その次のレポートは、分散に対する結果です。「分散パラメータ推定値」表に推定値と関連する統計量が表示されています。非表示の列が2つあります。
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非表示になっている「exp(推定値)」という列は、推定値を指数変換したものです。因子が-1~1の値にコード化されている場合、1の水準では分散に「exp(推定値)」の値が掛けられ、-1の水準では分散にこの列の値の逆数が掛けられます。この列を表示するには、レポート上で右クリックし、[列]メニューから該当する列名を選択します。
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非表示になっている「exp(2|推定値|)」という列は、説明変数の値を-1~1としたときの最大分散と最小分散の比を示します。
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レポートには、各推定値の標準誤差、カイ2乗、p値、プロファイル尤度信頼限界も表示されます。残差パラメータは、分散モデルにおけるすべての説明変数の係数が0のときの分散推定値です。
現在の分散モデルは、分散効果を含まないモデルに比べてよくあてはまっているでしょうか。このことは、尤度比検定で調べることができます。尤度比検定では、あてはめた分散モデルを、切片以外のパラメータがすべて0のモデル、つまり等分散のモデルと比較します。この例では、p値を見ると、高度に有意になっています。つまり、「保持時間」の変化は、分散の変化に影響しています。
[分散効果の尤度比検定]は、各効果を除外したモデルを順番にあてはめて、尤度比検定を計算します。一般に、尤度比検定は、Wald検定より信頼性が高いという特徴があります。