Ward法では、オブザベーション数が少ないクラスターが結合される傾向にあり、オブザベーション数がほぼ同じクラスターができてしまいます。また、外れ値に対して非常に敏感です。Milligan(1980)を参照してください。
2つのクラスター間の距離は、各クラスターに属する点のペアの距離を平均したものです。群平均法では、分散の小さいクラスターが結合され、クラスターの分散が等しくなってしまう傾向が多少あります。Sokal and Michener(1958)を参照してください。
2つのクラスター間の距離は、その平均間のユークリッド距離として定義されます。重心法は、他の階層型クラスター分析方法より外れ値に対して頑健性がありますが、それ以外の点ではWard法や群平均法に劣ることがあります。Milligan(1980)を参照してください。
2つのクラスターから1点ずつを選択したときに距離が最短になる2点間の距離を、クラスター間の距離とします。最短距離法は、論理的に見て望ましい性質を持っています。しかし、モンテカルロ実験では良い結果が出ていません。それについては、Jardine and Sibson(1971)、Fisher and Van Ness(1971)、Hartigan(1981)、Milligan(1980)を参照してください。この方法はFlorek et al.(1951a、1951b)によって考案され、後にMcQuitty(1957)とSneath(1957)が再考案しました。
クラスターの形状が制約されないため、長く延びた不規則なクラスターができがちで、コンパクトなクラスターを形成することができません。最短距離法では、大きなクラスターに分離する前に、分布の裾が分離する傾向があります。Hartigan(1981)を参照してください。