2PLモデルは、「項目分析」プラットフォームにおけるデフォルトのモデルです。1PLモデルは、すべての項目が等しい識別力を持つと仮定される場合に適しています。この仮定が適切でない場合は、2PLモデルまたは3PLモデルを使用する必要があります。2PLモデルは、データセットが小さい場合は特に、3PLモデルよりもかなり数値計算が安定しています。さらに、2PLモデルでは、bは、ある項目に対する正答率が50%となるのに必要な能力レベルとして解釈することができます。
項目反応理論モデルでは、能力は1次元であると仮定されます。つまり、潜在特性は1つであると仮定されています。潜在特性が複雑な交互作用を持つ複数のもので構成されている場合には、このような1次元のモデルは適しません。項目反応理論モデルで仮定される潜在特性は、連続尺度です。潜在特性としてカテゴリカルなものを仮定したい場合には、潜在クラスモデルを用いてください。「潜在クラス分析」(249ページ)章を参照してください。項目反応理論モデルは、項目不変性を仮定しています。「項目不変性」とは、P(θ)を、「能力レベルがθである受験者の正答率」と解釈することを意味します。言い換えれば、潜在特性がまったく同じである受験者を集めたグループがあるテスト項目に答えるとき、P(θ)は、その項目に正しく回答する受験者の割合を示します。また、項目反応理論モデルにおいては、受験者が変わっても、モデルのパラメータは同じままです。さらに、項目反応理論モデルでは、局所独立が仮定されます。「局所独立」とは、潜在特性で条件付けた場合、各項目に正答するかどうかは、互いに独立であることを意味します。