工程能力指数は、仕様限界に応じた製品を生産する能力を示した指標です。工程能力指数は、品質特性の平均と標準偏差の推定値を、仕様限界に照らし合わせて計算されます。群内推定値から計算された工程能力指数(Cpk)は、群内のばらつきから推定した標準偏差に基づきます。全体推定値から計算された工程能力指数(Ppk)は、工程データ全体から推定した標準偏差に基づきます。第 “正規分布の工程能力指数”および第 “ばらつきに関する統計量”を参照してください。
平均や標準偏差の推定値は、中心やばらつきが安定している場合のみ、妥当なものになります。そのため、群内推定値から計算された工程能力指数(Cpk)は、工程のばらつきが安定していなければ解釈ができません。また、全体推定値から計算された工程能力指数(Ppk)は、工程の中心とばらつきの両方が安定していなければ解釈ができません。
メモ: たとえば、非正規分布の場合などは、信頼区間は算出されません。しかし、そのような場合でも、シミュレーション機能によって信頼区間を求めることができます。例として、第 “非正規データのPpkに対する信頼限界のシミュレーション”を参照してください。
工程能力指数の値に関するガイドラインは、Montgomery(2013)を参照してください。工程能力指数は、1.33以上となることが推奨されています。ただし、シックスシグマにおいては、1万あたりの不適合率が非常に小さいことを要求しており、より高い工程能力水準を目標にしています。
非正規分布に対しては、分位点法(「パーセント点法」や「ISO方式」とも呼ばれる)と、Z-スコア法(「Bothe方式」とも呼ばれる)のいずれかで工程能力指数を求めることができます。これらの手法については、第 “非正規分布の工程能力指数: パーセント点法とZ-スコア法”を参照してください。
「工程能力」プラットフォームでは、正規分布に基づく工程能力指数は、長期的に計算されたばらつきの推定値(全体シグマ)、および、短期的に計算されたばらつきの推定値(群内シグマ)のいずれでも計算できます。工程が安定していれば、長期的に見たときのばらつきと、短期的に見たときのばらつきは似たようなものであり、全体シグマと群内シグマは同じような値になるはずです。正規化箱ひげ図や要約レポートも、全体シグマと群内シグマのいずれに基づいても計算できます。安定した工程および不安定な工程で計算される工程能力指数の例については、第 “「工程能力」プラットフォームの別例”を参照してください。
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